2016年02月24日

アナログゲームはコミュニケーションゲーム

あまおち顔アイコン_小.jpg アナログゲームの本質というものを考えた時、それはコミュニケーションゲームだというところに行き着く。
 
 TRPGはもちろん、カードゲーム・ボードゲームのどんなゲームであったとしてもその楽しさというのは、他人という人間と共にゲームを共遊するところにあり、これこそがアナログゲームの最大の魅力だと言える。
 記録を狙ったり、相手にただ勝つことを目的とするスポーツや、プログラム通りにしか動かないテレビゲームなどとの最大の違いがここにある。
 まぁ一人カードゲームもあることはあるが、基本的には他人の共に悩んだり、化かし合ったり、笑い合ったりする、それこそがアナログゲームのアナログゲームたる所以であり、本質なのだ。
 
 先ほども言ったが、スポーツとはここが違う。
 もちろんスポーツでも相手に敬意を払うとか、試合外でも選手同士の交流とかはあるだろうが、しかし試合そのものは勝ち負けが主だ。
 ここは変えられない。
 むしろ「相手のためを思って負けよう」と思うことは、スポーツにとっては最大のタブーだと言える。
 
 しかしアナログゲームはちょっと違う。
 例えば対戦ゲームでいくら勝ちという結果を得たところで、他のプレイヤーが「つまらないプレイだった」と感じてしまえば、それはアナログゲームとしては「よくないプレイ回だった」と言えるのではないだろうか。
 この点、TRPGが分かりやすい。
 お姫様を助けるシナリオだった場合、ルール通りに進めてボスを倒してお姫様を助けたという結果が得られたとしても、全員がブスーッとした顔で最低限の宣言しか発言しないような、通夜か葬儀かのようなプレイだった場合、とてもじゃないがそれは「成功した卓」とは言えないだろう。
 ボードゲームだとしても、大抵は負けたプレイヤーも「いやー、あそこの判断がダメだったかぁ。いやー、なかなか考えさせられたなぁ。このゲーム面白いですねぇ。またやりましょう、次は負けませんよ」なんて盛り上がってこそのアナログゲームと言えるだろう。
 勝ち負けを超えた楽しさがそこにはあるのだ。
 
 もっと端的に言えば、「競技」ではないと言ったところか。
 よって、広い意味ではアナログゲームだが、囲碁将棋や、競技化してるマジック・ザ・ギャザリングとかは今回の話の範囲外となるが、まぁ我々が一般的に考えるゲーム会とか即売会とかは、そもそもこれらは入らないので、細かい話はよしとしよう。
 競技の場所もあるドミニオンも、競技としてプレイしている人は少数だろうし。
 
 この「アナログゲームの本質はコミュニケーションゲーム」という点、感覚ではなんとなく分かってはいるが、明確に意識している人はあまり多くない気がする。
 例えば、やはり中には勝ちだけに固執するあまりに不利になると目に見えて不機嫌になったり、協力ゲームだと他人のプレイに口を出しまくったりするプレイヤーが、残念ながらいる。
 TRPGでも、ルールのスキを付くためだけに何度もシナリオを止めてGMとルール論争を繰り返すばかりのプレイヤーや、とにかく自分が自分の中だけで定めた目的を達成するためだけしか行動せず、仲間やシナリオ自体を無視し始めて暴走するプレイヤーなど、案外結構いたりするものだ。
 オレも実際、とあるコンベンションでスキルの使い方(コンボを出させるために)を横から口を挟まれまくって指示されまくり、プレイそのものがイヤになった経験がある。
 
 これらのプレイヤーの共通する欠点というのは、「勝ち負けや目的以上に大切にすべきもの」が見えていないというところにある。
 つまりは、「勝ち負けや目的を超えたプレイヤー全員の満足感」であり、クサい言い方をすれば「全員の笑顔」だ。
 本来アナログゲームはこれがなければ成立しないのに、別の目的しか目に入らないプレイヤーが、どうしても一定数いたりするのだ。
 
 だからオレは、「アナログゲームはコミュニケーションゲーム」ということを言語化して明確化させたいと思ってる。
 TRPGにしてもカード・ボードゲームにしても、往々にしてプレイヤー間のトラブルというか、特にコンベンションなどの初対面同士のプレイの際のいやな出来事というのは、基本的には意識の齟齬・コミュニケーション不足から発生していると言えるだろう。
 そしてその場合、この「アナログゲームの本質」を明確な意味で意識していないから起こるものではないかと考えている。
 「ゲームだから勝てばいい」「自分の目的を達成すれば他人はどうでもいい」というような、コミュニケーションから遠ざかるプレイによって、このような問題は引き起こされるわけだ。
 だから明確に「アナログゲームはコミュニケーションゲーム」と言語化させることによって、他人の存在をハッキリと意識させ、本当の目的はコミュニケーションにあると意識させたいのである。
 こうすれば、けっこうな割合でアナログゲームに潜むトラブルを事前に解消させることができるのではないだろうかと考えている。
 
 もう一回クサく言えば、「みんなが笑顔になるようプレイしましょう」だ。
 ギップリャー。
 
posted by AHC at 18:42| Comment(0) | TrackBack(0) | あまおち総統エッセイ

2016年02月22日

「ホラーゲームの中でのプレイヤーのロール」について話します。前編

おっさん顔アイコン_小.jpgまいど。病み上がりの日陰です。
先週はインフルエンザで倒れてました。
一時は39.8度とか中々のハイスコアを叩き出して、やばいのなんの。

さて「ホラーゲームの中でのプレイヤーのロール」ですが。

そもそも「ロール」って何でしょ?

TRPG=テーブル・トーク・ロールプレイング・ゲーム。
卓上で会話をしながら役割を演じるゲーム。
この「役割を演じる」と言うこと。
多くの人は自分のキャラクターに成りきって演じて行く事だと思ってますし、それが大きく外しているというわけでもありません。
解釈の仕方は人それぞれあるでしょうし、はっきり言えば、たかが遊びです。
「こうやらなきゃ駄目なんだ」と主張する気もありません。
ようは楽しく遊べればいいわけですからね。
ただ、私の(ぴー)十年TRPGをやり、考えてきた「私の中での結論」(予防線多いですが、それだけ面倒な話なので)で言えば。

違います。
それ「ロールプレイ」じゃありません。
「キャラクタープレイ」です。

この話をすると「自分と違う考え方をする奴を認めない奴は駄目だ」と思いっきりブーメランな事を言い出す人が続出しますが、あくまで私の遊び方の結論なのでご了承下さい。

そもそも「ロール」と「キャラクター」の違いって何でしょう?
ロールとは「役割」で「キャラクター」は個性です。

例えば野球のバッター。
バッターの役割は「攻撃の手番でバットを振り、ピッチャーの投げた球を打つ事」です。
では、この「バッター」という役割に個性を与えてみます。
あるバッターは片足で立ち、あるバッターはバットを小刻みに揺らしタイミングを計る。
あるバッターは極端なダウンスィングで地面に球を叩き付けるような打ち方をする。
方法は様々で、それぞれのバッターが自分の役割を果たす為に都合の良い打ち方をする。
これが「個性」です。

もし個性を重んじる余り、役割を蔑ろにすると、どうなるでしょう?
ウケ狙いの一本足や、ただの物まねの振り子打法。
バッターとして成すべき「役割」を果たせません。
個性は、あくまで役割を果たす為の手法です。
役割を忘れて個性を出す事に終始していては、本末転倒だと思います。

TRPGと関係無い話に見えますが。
実のところ、大きく関係しています。

受け狙いの為にストーリーとは関係の無い行動を取りたがるプレイヤー。
キャラクターの個性を重視するあまり、GMの出している目的を無視するプレイヤー。
そして「SANチェックをしたいが為に、藪を突いて蛇を出す行為を好んで行うプレイヤー」

ホラーのゲームですから、ホラーシーンに遭遇したい気持ちは分ります。
ただ、キャラクターとしての役割は「ホラーの被害者」ではありません。
そういうのはNPCに任せて、自身は「事件を解決する役割」で有ることを忘れないように。
結果的に犠牲者に成ることはあっても。

次回も「ホラーゲームの中でのプレイヤーのロール」について、語ります。

まだ本調子でないので、長文は厳しい(苦笑)
posted by AHC at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日陰の世界

2016年02月20日

2月21日のゲームマーケット2016神戸

AHCは明日2月21日のゲームマーケット2016神戸に出展します。
 
TRPG系はE18「AHC」
カードゲーム系はG03で「居眠りの街/AHC

です。
お品書きはこちらになります。

web看板.jpg
クリックで大きな画像が出ます。
 
オリジナルTRPGルールブック「クトゥルフ神話との邂逅」はいよいよ第三版となり、これまで見つかったエラッタを全て修正したものとなっています。
 
また、カードゲーム「毒の王冠」は、おそらく即売会イベントでは最後の頒布となるかと思います。
どうぞこの機会にお求めください。

どのゲームもAHCの自信作です。
ぜひゲームマーケット2016神戸に参加される方は、上記ブースまでお立ち寄りください。
お持ちしております。
 
posted by AHC at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント告知

2016年02月19日

第4回「毒の王冠」byAHC(日陰)

なおぶ顔アイコン_小.jpgどうも、なおぶ@AHCです。なんと今週も更新。いよいよ明後日は神戸ゲームマーケットです。
G03で出展しますので、いらっしゃる方は是非ともお立ち寄り下さいね!
販売物の取り置きもしておりますので、一度ゲムマ内のブログも見てくださいね。



さて、今回は自サークル作品を紹介する番なので「毒の王冠」のレビューをします。
デザイナーは、AHCの悪いおっさんこと、ショゴスおじさんこと日陰さん。

クトゥルフのビジュアルノベル風リプレイとかシナリオとかも出しているので、興味がある人は視聴してあげて下さい。

さて、まずは本ゲームの世界観ですが、あまおち総統力作のPVがありますので、参考にしてもらえると雰囲気掴めます。



どうです?おどろおどろしい世界観でしょう?

簡単に言うと王様が死にそうになったので、継承者候補達がお互いに毒を盛って殺し合い、新しい王様を目指すゲームです。
と、AHCの悪いおっさんの嫌らしい人格が発露した嫌らしい設定ですねー(笑)

王様はライフが6あり、候補者のライフが5なので、死にそうだという王様が実は一番元気な所から始まるのですが、そこは突っ込んではいけません(笑)
どうしても気になる方は、それまでエクスカリバーの鞘を持っていて不死身だった英雄の王様が、鞘が盗まれて殺せるようになったので壮絶な跡目争いが始まったとでも解釈して下さい。
その鞘を盗んだ犯人は「不死者」でしょうね、きっと。おぉ、ゲーム背景に新解釈が生まれましたが、おっさんどうですか?


まぁそれはさておき、毒の王冠をプレイして味わえる面白いところを語りましょうか。

・「毒を誰に盛るのか選ぶ」という単純な行為だが悩ましい。単純に一番殺したい者を選ぶと報復が怖いし、継承権関係なく勝てる王子だと早く王様に毒を盛りたいが、バレそうなので控え目にするかどうかを考えたり、色々と悩みます。
・ライフを減らしたいプレイヤーに票が集まるムードを、会話を通じてつくっていくというコミュニケーション要素も楽しめる。
・直接毒を盛ったり、誘導で思惑通りに他プレイヤーのライフが減ると、暗い欲望が満たされる。
・報復も投票していない時にブラフをかまして誘ったりが楽しい。
・自分に毒が盛られた時の報復するかどうか?誰に報復するか決定するのも悩ましい。リスクは犯したくないが、犯さないと勝利が掴みにくい。
・報復成功時に、ライフを減らすか継承権を奪うかも悩ましい。継承権が上がると毒を盛られやすくなる。
・能力に応じていつ自分の正体を公開すべきなのか?が悩ましい。
・勝利条件の異なるキャラクターがいるため、単純な思考プロセスでは最適解が出ないので、その推理と判断が楽しい。

と、<誰に毒を盛るか?><毒を盛られた場合に報復をするか?><する場合は誰に報復するか?><自分の正体をいつのタイミングで明かすか?>4つしかプレイヤーの行動選択がないにも関わらず、
ゲームの楽しさの基本要素である選択の悩ましさとフラストレーションとカタルシスを存分に得られるばかりか、ブラフや思考誘導の出来るコミュニケーションゲームとしても楽しめます。


デザイナー視点で優れているところを挙げます。、
・シンプルなゲーム性の中に状況に応じた葛藤が盛り込まれている。
・異なる勝利条件のキャラクターが混じるために、同じ戦術では勝てず、状況に応じた戦術をとる必要があり、ゲーム性の幅を広げている。
・使わないキャラクターカードをイベントカードに使用することにより、無駄のないカードの使い方となっている。
・加えて使用されていないカードの情報が公開されるため、他プレイヤーの持つカードを推測し、自らの勝利に向けて戦術を練り直すといった遊びの幅が広がっている。
・使用されるキャラクターカードの変化や配布するキャラクターカードによって考える要素が変わるため、飽きずに何度も遊びたくなる。

AHCのデザイナーとしては正直悔しくもあるのですが、とても素晴らしいゲームに仕上がっています。

とはいえ、実は「毒の王冠」は、私も原型を試遊するところから関わっており、私の意見やアイディアも盛り込まれていますので、若干手前味噌な所もあります(笑)

そこでAHCの宣伝になっちゃいますが、荒削りのゲームを試遊して、あーでもない、こーでもないといったプレイヤーとしての意見や解決のための新しいアイディアを出し合ったり出来るのは、インディーズゲームデザイナーにとってとても価値がありますね。
私のデザインした「犯人はこの中にいる!」も、その過程でギミックやルールを加えたり、バランスを整えたりしています。
もちろん、最後はデザイナーのバランスやアイディアに一任となるので、「毒の王冠」が面白いゲームに仕上がったのは、間違いなくデザイナーの日陰さんの手腕です。

何か面白そうなゲームを思いついたので、形にしたいという未来のゲームデザイナーや、このゲーム創ってみたけど微妙なので、もう一段面白くしたいので一緒に考えて欲しいといったニーズのある方は、気軽にAHCにお問い合わせ下さい。

おっと、サークルの宣伝をしすぎました。

とにかく「毒の王冠」自信をもって面白いと言えるゲームです。「お前、俺にばっかり毒を盛りやがって!」と友人関係を壊さない程度に、是非楽しんでください(笑)
 

2016年02月17日

未だAHCは試行錯誤

あまおち顔アイコン_小.jpg つい先日、オンラインサークルであるところのAHCは、その本部を引っ越した。
 これまでは独自SNSを使っていたのだが、どうもこれが使い勝手が悪く、正直アクセス率が悪かったと言わざるを得ない状況にあった。
 というか、代表であるところのオレ自身がアクセス率が悪かったと白状せざるを得ない懺悔である。
 正直スマンカッタ。
 
 これはなぜかと言うと、たぶん一番の原因は、スマホとタブレットの普及である。
 昔に比べたら、帰宅後のパソコンの前に座る時間がものすごく少なくなってしまった。
 昔は、朝起きたらパソコンの前に座り、家に帰ればパソコンの前に座って、時にパソコンの前でメシを食って、寝る直前までパソコンの前に座っていたもんだが、最近はと言えば、朝起きたらタブレットでニュースチェックして、移動中にスマホをいじり、家に帰ったら寝っ転がってタブレットをいじり、そのまま寝落ちるという、なんとも自堕落な生活になってしまっている。
 いやどっちが自堕落かと言われると困るが、おそらくどっちもである。
 そしてなにより、独自SNSがものすごくスマホ・タブレットでのアクセス環境が悪かったのである。
 一言で言えば、ちょー見にくかった。
 だから自然とAHC本部に足が遠ざかってしまっていたのだ。
 
 独自SNSに行く前は、AHC本部はミクシィの中にあった。
 AHCとしてはあの時が一番賑やかだったんだが、つまりはそれはミクシィに人がいっぱいいたから、もっと言えば、ミクシィでのコミュニティ文化が隆盛を極めていた時代だから、AHCもすごく賑やかだった。
 しかしミクシィはなにをトチ狂ったのか、コミュニティを切り捨てるような改革ばかりして、ミクシィはSNSの代名詞と言えた時代から自ら終止符を打ってしまったのだ。
 そして我々はいよいよミクシィに見切りを付けて独自SNSに移ったのだが、またここでひとつの時代の流れが来たと言えるのだろう。
 つまりは、スマホ文化である。
 
 もはやネットを見るデバイスとしては、パソコンよりスマホの方が多いという統計もある。
 であるなら、我々も時代に付いていかなければならない。
 ミクシィやSNSにこだわって、身内だけで固まって、なだらかに衰退していくっていう選択肢もあるわけだが、少なくともオレはそれを良しとはしなかった。
 オレはいけるところまで時代についていきたいと思っている。
 
 という理由からサイボウズliveに引っ越しした。
 サイボウズliveに決めた一番の理由は、スマホアプリが優秀だったからだ。
 スマホアプリを入れると、メンバーとラインのような会話が全員同時に行えるのである。
 これでアクセス率はどーんと回復するだろう。
 オレもどーんと回復した。
 
 でも当然これで終わりではない。
 また別の時代が来るかもしれないし、そもそもいまの時代だって完全に波乗りピカチューになっているわけではない。
 まだまだAHCは試行錯誤なのである。
 ゲーム作りも、サークル運営も、どうすれば多くの人間が気持ちよくゲームをプレイできる環境になるのか、日々試行錯誤のしているのである。
 
 というわけで、そんな試行錯誤なサークルAHCはいつでも新規会員を募集中です。
 誰でもウェルカーム。
 気軽に参加ボタンをポチってくださいな。
 
posted by AHC at 18:19| Comment(1) | TrackBack(0) | あまおち総統エッセイ

2016年02月15日

「ホラーシナリオの考え方」の話

おっさん顔アイコン_小.jpgまいど。正式名称「日陰堂てんちょ」の日陰です。
「てんちょ」の元ネタが分るのはオッサンです。(ここまで挨拶)

シナリオの考え方は人それぞれだと思います。
キッチリとフローチャートを作ったり、様々な状況に対応出来るように詳細なデータを作っておいたり。
NPCの性格も細かく設定し、怪物のデータも細かく決め、起承転結とスムーズに流れるような物語を作り上げようと。

まぁ大体、そんな上手く行くわきゃないので挫折する初心者GMさんが多いんですけどね(暴言)

作ったデータの大半は無駄になり、事細かく配置しておいたイベントは不発に終わり、裏設定まで決めていたNPCは話し掛けてももらえない。
最悪、存在すら知る事もなく闇の彼方に葬られる。

なので、私がGMをするときは、必要最低限しかデータは用意しません。

重要なポイント「どんな事件か」「何が原因か」「どうすれば解決するか」
ここだけ押さえて、適当にNPCを散らし、後はその場のアドリブで盛り上げるってのが私の基本的なマスタリングです。
なので、シナリオといってもレポート用紙1枚あるかどうか。
得にファンタジー系のシナリオで言えば、慣れ親しんだ旧ソードワールドならシナリオ作るのに30分もあれば一本作れます。
私が異常に早いわけじゃなく、結構昔からやってる人なら、この程度の事は出来ちゃうものです。
まぁこれにはチョットコツはあるんですが。

ファンタジー系のシナリオで肝になるのは「どうすれば解決するか」
と言うか、身も蓋もない事を言えば「何を倒せば解決するのか」です。
プレイヤーのレベルは分っているので、それに応じたバランスの敵を用意します。
その敵の力(特殊能力、地位、性質など)から、おいしく演出出来そうな「原因」を考えます。
その原因から起きそうな「事件」を考えます。
一丁上がり。
後はプレイヤー達の行動に合わせて、NPCやら町やら諸々は、その場ででっち上げます。
そんなんで大丈夫か?と心配する人もいるでしょう。

私はTRPGって、そもそもプレイヤーとGMで物語を作っていくゲームだと思っているので全然平気。
ある意味、いわゆる「吟遊詩人系GM」の真逆だからだと思います。

まぁ人それぞれやり方はあるし、「楽しくゲームをする事」が全てにおいて最優先する事だと思うので、自分に合った方法でシナリオを考えるのが一番いいですね。

で、問題の「ホラーシナリオの考え方」
恐らくですが私の場合、ホラーシナリオを考える時、人一倍時間を掛けて考えていると思います。
勿論、シナリオを考える上で重要なポイント「どんな事件か」「何が原因か」「どうすれば解決するか」がメインなんですが。

まず真っ先に考えるのは「どうなったら怖いか」

この掴みようのない漠然としたテーマを手探りで漁るような作業から入ります。

惨殺死体があれば怖いのか。
未知の怪物が出てくれば怖いのか。
そういう表面的な所ではなく、もっと怖い「何かの瞬間」
とにかく、自分の中で「これは怖い」と思えるようなワンカットを探します。
その「ワンカット」に迎えるように外堀を固めて行く。

話が抽象的ですみません(笑)

正直言えば、グールが出てきてSANチェックし、耐えたら戦って解決するようなシナリオなら、やっぱり30分もあれば一本作れるでしょう。
それは「怖い」ですか?
クトゥルフのSANチェックは、キャラクターの感じるであろう恐怖に追い込まれていく状況を表現した良いシステムですが、
それはプレイヤーに与える恐怖感とは全く別物です。

その「プレイヤーに怖いと思わせる瞬間」は考えて出来る物ではなく、自分の今まで体験してきた怖い映画、小説、漫画、ドラマ等、時には実体験から絞り出していきます。
こればかりは考えて出来る物じゃないかなと。
恐怖感ってのは理屈だけで作り上げられる物でもないと思うんで。
ちなみに、私の本棚やPCの中は、呪われるんじゃないかと思うくらい「資料」でヤバイ状態です。
細かい説明はしませんが。

捻り出した「怖い瞬間」にプレイヤー達を連れて行くために、残りのシナリオ製作「事件」「原因」「解決方法」を考えます。
ここは自分にあったシナリオの作り方で。
フローチャート全然OK。
重要なのは、キャラクターが怖いと思うのではなく、プレイヤーが怖いと思う瞬間であること。
極論を言えば、その恐怖体験さえプレイヤーに味わって貰えれば、事件が解決しなくてもいいんです。
勿論ゲームなので、プレイヤーには基本的に「事件の解決」を目指してもらうのですが。
それはあくまでプレイヤーの行動指針を決める為の物です。
TRPGを楽しむ上での大前提は「楽しく遊ぶ事」であり、「クトゥルフはホラー」を原則とする私にとって「楽しくホラーゲームを遊ぶ」というのは
「クトゥルフのギミックで遊ぶ事」ではなく「クトゥルフホラーで恐怖体験をしてもらう」と言うことです。
かなり難しい作業ですが。

人間では瞬殺されるような、もしくはいっそ殺してくれと叫びたくなるよう状況にする「魅力的な」怪物や神がルールブックには満載です。
彼らの与える「イメージ」を活かし、キャラクターを殺して恐怖感を与えるのではなく、キャラクターの体験する恐怖をプレイヤーに伝えるシナリオを考えましょう。

次回は「ホラーゲームの中でのプレイヤーのロール」で語ります。
さぁ「ロール」ですよ。
否定されようが馬場理論全開で行きます(笑)
posted by AHC at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日陰の世界

2016年02月12日

第3回「精霊回路ドライヴ(第二版)」 byコップレジェンド(翠丸)

なおぶ顔アイコン_小.jpgどうも、なおぶ@AHCです。先週に引き続きの更新です。来週末は神戸ゲームマーケットですね。AHCと居眠りの街は今回も出展しますので、是非、遊びに来てください。

前々回から非公認ラリーブックという企画で、ゲームマーケット参加サークルのゲーム紹介とともに参加者に特典がつくための冊子を作っています。
今回は、神戸での開催というのもあってか、こじんまりとなりましたが、色々と改善や挑戦をしながら、今後も引き続き継続していくつもりなので是非ご参加やご利用をお願いします。

さて、宣伝はこれくらいにして、第3回「精霊回路ドライヴ(第二版)」のレビューいってみましょう!

まずはヴィジュアル面から。

イラストは、創作系界隈では有名で、非常に重宝されている著作権フリーで利用可能なジュエルセイバーhttp://www.jewel-s.jpのものを加工されて使っています。
元々商用ソシャゲのものなので、クオリティが高く、とても見栄えがします。
DSC_0024.JPG

AHCでもルールブック発売時に最速リプレイを頑張って出しているのですが、駆け出しアイドルRPGチャレンジガールズ☆リプレイでは、ジュエルセイバーさんのイラストを使わせていただいております。
http://ahc.saloon.jp/douzin_shi.html
有名どころのTRPGの同人作品では、犬月パクマン氏の「30分勇者」でもふんだんに使われてましたね。

精霊回路ドライヴでは、パッケージデザイン他、ロゴや装丁はとてもシンプルで美麗にまとめられていてジュエルセイバーのキャラデザインを違和感無く取り込んでいます。
まるでこのゲームのためにデザインしてもらったぐらいに感じました。
ゲームのキャラクターには、火水土風と属性があるのですが、属性とキャラクターにも不自然さは感じません。ゲームにおいてキャラクターは、感情移入して楽しむのにとても大事なので、成功していると思います。

次にゲーム性について。

本ゲームは協力して、まずは前哨戦を乗り切り、その間に自分のキャラクターを強化して、最終ボスを打ち倒すという協力ゲーとしてデザインされています。

ゲームの手順を詳しく書くと以下の通り。
・自分の使うキャラクターを選ぶ。
・全員がコスト分キャラクターを選び終わったら、ゲーム開始。
・敵が出現。出現時にダメージを与えられたり、特殊な効果を持つ敵も存在する。
・プレイヤーが順番に敵を攻撃。

・敵を攻撃する際に手札からカードを出すのだが、場札と同じ属性か数字である事が必要(UNOみたいな感じ)。同じ数字は複数出す事が出来て、その場合該当する属性のキャラクターが複数回攻撃出来る。使用した手札には特殊効果があるものもあり、使用時魔力がもらえたり、レベルアップしたりする。
・敵を倒すと敵のランク分全員魔力をもらえる。倒したプレイヤーは2倍。敵を倒すとすぐに次の敵が出現する。
・手番終了後、魔力は、キャラクターの特殊能力を使用したり、レベルをアップしたりに使用可能。
・敵をしとめられないと、敵から反撃を受ける。敵の攻撃によるダメージ分、山札を捨札にする。山札がプレイヤー全体共用のHPのような扱い。山札はキャラクターの特殊能力やレベルアップの効果で回復出来る。反撃毎に魔力が1点溜まり、一定の魔力が溜まると特殊な攻撃を持つ敵も存在する。
・次のプレイヤーが敵に攻撃する。この際、場札に応じたカードしか使えないので、次のプレイヤーが攻撃出来るような場札の出し方を考える必要がある。
・山札がなくなるとボスとの対決ステージに突入。ボスがランダムに選ばれた上、それまで使われた場札を切り直して山札とする。すなわち、プレイヤー陣営のHPは場札の枚数がHPとなる。
・ボスバトルも戦闘ルールは同じ。ボスを倒せれば勝ちで、ボスを倒す前に山札が尽きてしまったらプレイヤー陣営の負けとなる。


ゲームとして面白い所を以下箇条書きにまとめます。

・最初のキャラクターを選択も悩ましい。コストの低いキャラを多くするか、強いキャラを入れるか。特殊能力でコンボのように使える組み合わせもあるので、パーティを考えるのが楽しい。
・自分の活躍ばかり考えていたら、負けてしまう。次の手順のパーティが求めている色や数字をうまく察知して攻撃する必要がある。
・特殊能力使用とともにレベルアップを上手くして成長させていく必要があり、魔力の使いどころが悩ましい。
・ボス戦、最初ボスが強すぎて絶望的な気分になることもある。仲間と打開策を話し合い、ぎりぎり撃破出来るととっても嬉しい。
・惜敗した場合、悔しくなって、もう一回やろうぜ!となる。


というわけで、本作もゲームの醍醐味・面白さの基本である、選択の悩ましさ、選択の結果訪れるフラストレーションとカタルシスを存分に楽しめます。
他プレイヤーとの戦いではないので、仲間意識を育みながら楽しめるのも、人間関係が壊れにくく、良いのではないでしょうか?(笑)

インディーズゲームデザイナーとして、デザイン面で感心した所もまとめてみました。

・山札を共用のHPとして使用するアイディアがユニークで面白いです。
・初心者や時間のない時ようにショートゲームという工夫がされています。
・ボスの強さのバランスが絶妙。あと1ターン遅ければ敗北だった、あと1ターンあれば!というゲームが高頻度で発生します。

そして慣れてくれば、やや物足りなくなるボスバトルのために、追加セットの夜天術式に収録された強化されたボスやさらに強いボスが用意されています。
色々と痒い所に手が届いていますね!

というわけで、
「精霊回路ドライヴ(第二版)」コップレジェンド
http://cpl.sakura.ne.jp/at/c0202_sekadr.html

お勧め出来るゲームです。機会があれば是非遊んでみて下さいっ!