2016年03月14日

クトゥルフっぽい物について話します(後編)

おっさん顔アイコン_小.jpgまいど。まだ首の治療中の日陰です。
長引いてます。

さて「クトゥルフっぽい物」の話の続き。

現在「クトゥルフって何?」と質問しると、ある程度知ってる人達からは「ラヴクラフトが書いたコズミックホラーでねぇ」と得意げに語ってくれるでしょうが。
まず「コズミックホラー」というのは、ダーレスという別の作家た付け足した設定によるものであり、本来のラヴクラフトが書いた物とはチョット違うという話を前回しました。
じゃ、結局「クトゥルフ神話って何?」と言う話。
そこで前回も上げたキーワード「得体の知れない物」

宇宙からの来訪者や、異次元の世界の怪物、人類誕生以前から地球に生息する生物等々、色々ありますが、一貫して言える事は「幽霊ではない」と言うこと。
死者の怨念や、人間の復讐、快楽殺人などとは異なり、人類が知り得ない、「何」と言えない「何か」が、本来のラヴクラフトの提唱したホラーであり、その「入り口」として
黒魔術や、SF的な異次元の入り口、宇宙などが存在しているのでは、と思います。

例えば「黒魔術」
悪魔や神と交信し、様々な欲望を現実化する……という体の術。
あるいは、ある種の信仰に基づく「祈祷」等の「祭事」

これらに、現実的に効果があったとしましょう。
では、その効果を及ぼしている「神」や「悪魔」とは何か?
もしくは、ある神話の中の存在を裏付けるような物、現象が起きたとき、その神は、人が考えるような神なのか?

人が崇める神の姿は、結局人が考えた姿をした神です。
しかし、その神と呼ばれるような「何か」が現存した場合、ソレは本当の所何なのか?

私が作ったリプレイ「パーントゥの森
このパーントゥは、最近になって結構有名になった、実際に行われているお祭りの神様です。
詳細は調べて頂くとして。
この奇妙なお祭りの神様。

実際の所、何でしょう?

自然に対する恐れから発達した宗教や、人がモラルを守るために、その監視者として設定された神様などは、人の想像から誕生したと考える事が可能(方々から怒られそうだなw;)ですが、世界にはこの手の「逸話の中から生まれた神様」が存在します。
この逸話が、ただの想像ではなく実際に起きた事象を伝えていたとしたら、そこに登場する、後に「神」と崇められる物は一体何なのか?
この答えの出ない「何か」に、クトゥルフ神話的な恐怖感があります。
宇宙、異次元、太古の世界などは後付けに過ぎず、有る特定の名詞を試用すればラヴクラフトの世界を表現している、と言うことでは無いと思います。
ディープワンとかニャルラロホテトプとか使えば、分りやすいですけどね。
他に無いから。
ただ、幽霊や呪いを使った、所謂「怪談」との違いを考えれば、そういったクトゥルフ神話TRPGルールブックやサプリメント以外から、幾らでも「クトゥルフ神話の怪物」を練り上げて行く事が出来ます。

貴方の身近な場所、物、人に、「得体の知れない物の存在」は感じませんか?

そこにシナリオのネタはあります。

次回は「実際にクトゥルフのシナリオを考えて見る」と題し、本当に一本シナリオを考えて見ましょう。
自身のシナリオ製作の違いを比較してみたり、まだ自分でシナリオを作った事が無い人は参考にしてみるなどしてみて下さい。



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2016年03月11日

第6回「プリンセスエスコート」byてぃーくらぶ

なおぶ顔アイコン_小.jpgこんばんわ、なおぶです。先日、AHCのWEBラジオに登場させてもらいましたが、いやー、うまくしゃべれませんね。もっと修行したいです(笑)まぁ、お暇な時にでも、ご視聴ください。








ちなみに今月は、AHCのオフ目玉イベントの合宿があります。2泊3日で泊り込み、ボードゲームとTRPGを遊びまくるという素敵な企画です。
このインディーズゲームレビューのネタの仕入れにもなりますし、今からとってもとっても楽しみなのですが、一つだけ大きな問題が立ち塞がっています。


家庭持ちには、ゲーマーでない家族の理解がさすがに得られにくい事です(爆)
「遊びで3日間家を空けるですって(怒)!」という怒りを少しでも和らげるため、その分事前に家族サービスに勤しんでいる今日この頃です。

さて、本題に参りましょう。今回はゲームマーケット大賞で優秀作品賞をとったゲーム、「プリンセスエスコート」をご紹介します。
IMG_2461.JPGIMG_2094.JPG

賞をとったゲームの紹介をなんで今さらと思われるかもしれませんが、面白いものは面白いので紹介させて下さい!

人狼に代表される正体隠匿系というジャンルのゲームです。
簡単に内容を説明すると、プレイヤーはクエストをクリアしながら、7日間姫が殺されずに守れば勝ち。
但しプレイヤーの中には、反乱軍が潜んでおり、クエスト失敗や姫の暗殺を目論んでいるというゲームです。

ゲームの流れは、下の紹介動画か、ルールがまとめて紹介されているコロナビを参考になさってみてください。


基本的にプレイヤーのやる事は、昼間、クエストクリアのための作戦を話し合い、夜間に行動チップを投票するだけ、とシンプルです。
正体隠匿系の代表格、「人狼」と「レジスタンス」を混ぜたようなゲームシステムになります。

行動チップは、基本、剣(対象にダメージを与える)と盾(対象のダメージを軽減する)のいずれかになります。
※特殊能力を持つキャラクターの特殊チップ(守護・特攻・回復・占い)等もありますが、基本は剣と盾の投票です。
通常、一人どちらか一つなのですが、反乱軍は追加で一つ投票可能になっています。
※複数の投票が可能な能力を持つキャラクターもいます。

では、まずプレイヤーとして面白いポイントをまとめてみます。護衛軍と反乱軍とで異なるところもあるので、分けてみました。

【共通】
・テーブルトークゲームと名付けられているようにデザイナーは、疑惑と権謀術数がふんだんに盛り込まれたトークの盛り上がりを楽しんでもらえることを期待されていると思うので、この際、キャラクタープレイ要素を存分に楽しみたい。
 騎士ダバダ「ええい、また姫を守り切れなかった!反乱軍は一体誰だ!」
 調査士サイボ「まぁ、落ち着いて下さいダバダ殿。私には反乱軍の正体がほぼ特定出来ましたよ」
 守護者ハー「ふぇぇ、本当ですか?私全然分かってないです。サイボさん、頼りにしてます。推理を聞かせてください〜」
と恥ずかしがらずになり切った方が、メタプレイでロジックを詰めてゲームを進めるよりも、間違いなく盛り上がって面白いはず。


【護衛軍】
・反乱軍の存在を意識しながら、クエストクリアかつ姫を守る作戦を立てる課程のやり取りが面白い。各人、異なる能力を持っているので、その能力を用いた解決策を提案したり、調整していくのは協力ゲーの楽しみである。
・話合って、こうしようと決めたのに違う結果が出るので(反乱軍がいるので当然ですが)、そこをキーとして行動証言の矛盾から反乱軍を推測していく過程が面白い。
・全ての推理を公開すると反乱軍も対応してくるため、情報のコントロールが面白い。
・特に昼間全員で決めた内容をあえて裏切り、反乱軍の動きを読んで、その思惑を止めた時の喜びは極上である。


【反乱軍】
・護衛軍を交えた作戦に同調しつつも隙を狙うところが面白い。
・護衛軍の思考の見落としを見つけて、勝てる状況で投票フェーズに入った時のニヤリ感が半端ない。夜神月を超えるニヤリ感が出る。

20150913053245.jpg

次にデザイナーとして感心したところをまとめます。

・まず、箱をギミックとして利用するという発想が、とてもとてもとても素晴らしい。
・プレイヤーの行動はチップを投票するだけで、あとはトークなので、ゲーム初心者にも分かり易くインストし易い。
・箱のギミックを活用した対象別、種類別の投票システムにより、人狼やレジスタンスを一段昇華させたゲーム性を獲得した。
・クエストのクリア条件とペナルティのバランスがよく練りこまれている。多くても少なくても失敗といった条件は、護衛軍を苦しめる。
・キャラクターの組み合わせパターンや、クエストの引き方によって展開が毎回変わるため、何度も飽きずに遊べる。そのランダム性で、ゲームバランスが大きく左右する事もあるが、展開が変わる面白さを犠牲にする程のデメリットではない。
・ロールプレイ要素を加えて遊ぶことが出来るようにしているのは、TRPGゲーマーにとって嬉しいし、TRPG未経験者をTRPGへ誘うことにも使えそう。


ということで、賞を獲得するのに相応しい素晴らしいゲームです。未体験の方は、是非一度体験してみて下さい!

2016年03月09日

著作者に利益が還元されない形のゲームカフェはこのままでいいのだろうか?

あまおち顔アイコン_小.jpg 最近アナログゲームカフェがオープンしまくっている。
 これまであったようなゲームを販売する店に付属するプレイスペースという形ではなく、メインがプレイスペースでゲームの販売はしていない、場所の時間貸しだけのゲームカフェが、ここ1、2年でぽこぽこオープンしている。
 オレも先日、池袋にあるオープンしたてのゲームカフェに行き、我々の新作のテストプレイを含めて、いくつかのゲームで楽しんだところだ。
 
 もちろんこれはアナログ業界にとっては喜ばしいことだ。
 既存プレイヤーにとっては場所の問題がかなり解決されるし、また気軽に入れる店があることで新規プレイヤーの獲得にも繋がる。
 さらに、自分が持っていないゲームをお店に置いてあるゲームをプレイすることによって、新たなゲームの魅力に気づけるキッカケにすることができる。
 ゲームカフェ万々歳である。
 
 しかしちょっと立ち止まって考えたとき、ひとつ、このままで大丈夫なのかなという危惧が生まれた。
 
 確かに今はいい。
 アナログゲームはまだまだ普及率が低すぎる黎明期とすら言える状態であり、今はどんな手段を使ってでも普及させることが大切な時期なので、今はこれでもいい。
 けど、もしこの先、アナログゲームが大普及して、ネットカフェ並みにゲームカフェが流行したら、アナログゲーム自体の商品価値を落とす結果に繋がってしまうのではないのだろうか、と。
 
 つまり、ゲームカフェはゲームを利益のために利用しているわけだが、そのゲームの著作者にはその利益が還元されない形となっている。
 確かにゲーム自体はゲームカフェが買っているからその部分だけは利益になるが、しかしゲームを買えばそれを自分の商売に自由に使って良いかどうかっていうのは別の問題だし、どちらにしても、新たに生まれた利益に対して著作者には全く還元されていない形なのが現状だ。
 例えば他のジャンルに目を向けてみると、今のところ漫画喫茶は漫画の著作者に利益が還元される形になっていないので、いまのゲームカフェと同じ構図のようだが、一方、音楽や映画はレンタルやカラオケなどで著作者に利益が還元される仕組みになっている。
 また同じゲーム業界とも言えるファミコンなどの任天堂は、この手の商売を認めていないようで、ファミコンがプレイ出来るカフェに対して法務部が勧告を行いゲーム機の撤去を行わせているところを、実際に耳にしたことがある。
 ジャンルによって対応はまちまち、これは法律もからんでくる話だと思うので、そこまで考えるとけっこう複雑だが、ここで一番言いたいのは、「買わなくてもゲームカフェに行けば色んなゲームがプレイ出来る」と思われてしまうと、いよいよゲームが売れなくなってしまうのではないかと、ここを一番心配するわけなのである。
 
 我々のような同人はともかく、それを生業としているプロに対しては、キチンと儲けが出るようなシステムを構築しなければならないはずだ
 むしろ、今アナログゲームを普及させようとしている意味を明確に言葉にするのであれば、それはもっと市場規模を大きくし、プロの人数も増え、またプロひとりあたりの利益が大きくなることによって、「夢のある業界」にすべきだ、というのが本来の目的なのである。
 決して、誰も儲からないけど知名度だけは高い、みたいな状態を望んでいるわけではないし、むしろそのような状態にしてはならない。
 利益が出るからそれを専業とするプロが生まれ、これによって良質なゲームが量産されるのであって、この部分の根底の利益がなければ、最終的には消費者の利益にもならないのだ。
 だから「利益の出る業界」を目指して考えなければならない。
 
 その場合、果たして現在のゲームカフェの状態っていうのは、業界全体の利益に繋がる形なのかどうかっていうのは、いまのうちに考えておかなければならない問題なのではないのだろうか。
 もちろん色々と考え議論した結果、ゲームカフェの存在はトータルでプラスになるって結論づけられるなら、それはそれで構わない。
 しかし一番まずいのは、昔からの慣例ということでシステムが根付いてしまって、それが不利益に繋がるのにもう変えようのないものに固まってしまうことだ。
 だからいまのうちにそれはキチンと考えておくべきなのではないのだろうかと、オレは思うわけなのである。
 
 ドイツなどのアナログゲーム先進国などの例も見つつ、いまアナログゲームブームのうちに、色々な意見を聞きたいところだ。
 ぜひこれを読んで頂いたアナタにも、意見を聞かせて頂きたいところである。
 
posted by AHC at 20:44| Comment(4) | TrackBack(0) | あまおち総統エッセイ

2016年03月07日

クトゥルフっぽい物について話します(前編)

おっさん顔アイコン_小.jpgまいど。インフルエンザが治った途端、追突事故食らって首が捻挫中の日陰です。
現在リハビリ中で首吊ってます。

さて「クトゥルフっぽい物」の話。
実際にクトゥルフ神話TRPGのシナリオを作ってみると、趣味や経験などで色々考える事になります。
「やっぱり戦闘はTRPGの華だし、それで勝てなきゃプレイヤーも気分が悪いだろうし。それじゃ戦闘バランスも取った方がいいよね」と、ホラーのゲームで普通に冒険シナリオを作ってしまった結果、ディープワン→グール→狂信者→ディープワン→グール→狂信者というヘビーローテーションにハマって抜けられない方。
「やっぱり陰謀とか欲しいし、裏で操ってるのは邪神だよね。ニャルラロホテトプとか」というクトゥルフ神話のミノフスキー粒子ニャルラロホテトプを多用している方。
「クトゥルフと言えばコズミックホラーでしょ。当然宇宙から……」と、自ら袋小路へと突き進んでしまっている方。

確かに、クトゥルフはコズミックホラーと言われ、ニャルラロホテトプが裏で画策している事も多く、奉仕種族と呼ばれる怪物達が、チョイチョイ人間に悪さをしてます。
ただ「クトゥルフはこうだ」と言い切ってしまうとパターン化してしまいます。
大体プレイヤーが直接的にどうにか出来る相手なんて、ルルブの中で探した所でたかが知れてますからね。

そこで、パターン化したシナリオ製作から抜け出す為に使う手段といえば、大体「オリジナルの神話的怪物、生物」となっていきます。
ルルブの中の神格を、そのまま出すのは余りにアレなんで、少しでも人間が太刀打ち出来るように、「〜の僕」とか「〜の眷属」「〜の奉仕種族」とか、スケールダウンしたモンスターを作って。

まぁそれも一つの手でしょう。
ただ、もう少し視野を広げてはどうでしょうか?

以前に書いたブログのコンテンツ「ホラーのシナリオは楽しいですよ?と言う話」の話の中で「分らないコトが怖い」と書きました。

そもそもクトゥルフ神話とは何か?
ご存じアゴのオッサン事ハワード・フィリップ・ラヴクラフによるホラー小説が大元で、そこにオーガスト・ダーレスが(いらぬお節介で)善悪二元論や四大元素等で「分りやすくした物」が、今で言う「クトゥルフ神話」と呼ばれる物です。
確かに、ダーレスが「分りやすく」設定を付け直した事で、クトゥルフ神話は取っつき易い物となり、広く愛される神話体系へと成長していったでしょう。
しかし、その結果アゴ ラヴクラフトが提唱した「ホラーの世界観」はズレた物になってしまったと「個人的には(これまた断言すると揉めるので)」思います。

そこで「個人的に(防衛策)これもまた、クトゥルフ神話の世界」と思う物を考察してゆきたいと思います。

キーワードになるのは「得たいの知れない物」

クトゥルフ神話の中ではメジャーな部類に入るでしょう「ダゴン」
アレ、実は実在する宗教の神様です。

勿論、内容は反キリスト教であり、キリスト教徒であるラヴクラフトから見れば、「得たいの知れない怪宗教」
この「自分の理解を超えた倫理観」に対する恐怖心が、ラグクラフトのホラーの原点です。
キリスト教の宗教観の中では、あり得ない、と言うか、存在してはならない「怪物」
理屈や理論を超えつつも、それでも目の前で起きてしまった「現象」
黒魔術と称させる、反キリスト的儀式の中に存在する、そもそもキリスト教とは無関係な得体の知れない「存在」
それら「人類の理解を超えた何か」が全て「クトゥルフ神話」たり得る物なのです。
ダーレスの提唱した四大元素やら敵対関係とは関係無く。

そう考えると、自分達の理解の出来ない物、現象、習慣の中に、いくらでも「ラヴクラフトが提唱したホラーの世界」が存在する事に気が付きます。

ちょっと長く成りそうなので、また後編に。
次回も「クトゥルフっぽいもの」を私の作ったリプレイ「パーントゥの森」等も交えながら話たいと思います。




posted by AHC at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日陰の世界

2016年03月02日

GMの楽しさ

あまおち顔アイコン_小.jpg オレ自身の中で最も素晴らしかったシナリオは、リプレイにもしている「ボカロカンタービレ」という作品のシナリオだと思っている。
 現在とらのあなで委託販売しているので、ぜひ読んで頂ければと思う。
 という露骨なCMを挟みつつ、ではなぜこれが一番素晴らしいシナリオだったのかと言えば、おそらく「GMとシナリオとプレイヤーとキャラクターがピタッと合致したから」ではないかと分析する。
 
 
表紙.jpg 表紙を見て貰えれば分かると思うが、キャラクター達はボーカロイドと言われるとある既存キャラを使っている。
 なのでリプレイとしてはキャラプレイ、AHCでは「なりきりリプレイシリーズ」なんて呼称しているが、つまりはキャラの設定が最初から決定されているし、その性格も多くの人に広く知られているところでもあり、基本的にはそれに準拠したキャラクタープレイが推奨されるセッションとなる。
 よってGMであったオレは、まずはボカロらしいシナリオを作ろうと思った。
 
 ボカロらしいとは、つまりは歌だ。
 システムはSW(無印)だったので、歌とはバードだ。
 よし、全員バード持ちにしてもらおう。
 そしてシナリオは、歌に特化したダンジョンを作ってしまおう。
 
 こんな感じで環境とシナリオを整えたのである。
 
 これはハマった。
 意識が統一されたキャラクター。
 とある歌を見つけるんだと全員が共通での目的を持てたパーティー。
 そのために降りかかる関門も、自分の特性(歌)によって突破できる、キャラクターとの親和性の高いシナリオ。
 そして関門にキッチリとひっかかり、そして適切な手順で突破してくれるプレイヤー。
 全てがハマり、本当にGM冥利に尽きるというシナリオ組みとマスタリングができたと実感している。
 
 なかなかこの感覚は実際に体験してみないと分からないと思うが、こういうコトがあるのでGMはやめられない
 もちろん予期せぬ出来事や、プレイヤーの行動はある。
 しかしそれも、GMが想定しない行動で、かつ想定より合理的な関門の突破をしてくれた時は、それこそ「そんな手がと」逆に関心するわけだし、それはむしろ自分でも気づけなかったシナリオの再発見であるのだから、GMとしては素直に楽しいと感じる点である。
 
 GMは大変そうとか、難しそうとと思っている人は、いやいやGMでなければ味わえない快感もあるんだということを知って欲しいと思うのだ。
 今後、GMとはなんぞや的な話題もしていくし、多分TRPG初心者の一番のつっかかりところがGMだと思うので、その辺も色々と話をしていこうとは思っているが、まずは「GMは楽しいもの」「GMでないと味わえない快感がある」という事実を知って貰いたいのだ。
 GMは楽しいのである。
 
posted by AHC at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | あまおち総統エッセイ

2016年02月29日

「ホラーゲームの中でのプレイヤーのロール」について話します。後編

おっさん顔アイコン_小.jpgまいど。最近マスクを被る機会が減った日陰です。
あれ、暑いんだもの。

さて、前回からの続き、「ホラーゲームの中でのプレイヤーのロール」について。

ロール(役割)とキャラクター(個性)は違うんだよという話を前回しました。
では、役割とはどんな物があるでしょう?

一つのキャラクターが受け持つ「役割」は、実は場面や状況にによって異なり、一つではありません。
例えば、戦闘時での「役割」は、前衛、後衛、回復役など。
情報収集時では、交渉、探索、調査など、その仕事や技能によって変わります。
この辺りは、大概のTRPGがシステム的にもそうなってるので分りやすいですね。

また、物語の中での役割として、ストーリーを牽引する「主人公的ポジション」や、知恵を貸し知的支援をする「アドバイザー」、とにかく戦闘力だけは飛び抜けている「護衛者」、周りを和ませる「マスコット(もしくは「うっかり八兵衛」)」など。
物語の中に登場する人物達は、けして万能ではなく、それぞれが欠けた部分を補いながら物語を紡ぎ上げていきます。

この辺りが個性(キャラクター)と混同しやすい所なのですが、状況によって異なる物の、その中ではある程度パターンが存在し、個性ほど多様性は求められていません。
物語を牽引する「主人公的ポジション」という役割の中で、キャラクターとしてネガティブだったり、ポジテブだったり、肉食系だったり草食系だったりという違いはあれど、その成すべき役割は同じです。

では、「ホラーの登場人物としての役割」は?

「恐怖に打ち勝ちながら、事件の真相を暴く事」

端的に言ってしまえば、これしかありません。

当たり前じゃんって声も聞こえてきそうですが、実際にやってみると、割と「ホラーである」という部分が意識から飛んで「ゲームクリア」の為に、攻略することを意識していたり、逆にゲームとして「真相を暴く事」を忘れ、怪現象を追い回しているだけになったりしてることが、多々あります。

分りやすく言えば、おなじみクトゥルフ神話TRPGの正気度チェック。通称SANチェック。
あれは、マインドアタックじゃありません。
あくまで恐怖を受け、その中で正気を保っていられるかのチェックです。
例えSANチェックに成功しても、怖い物は怖いのです。

「よーしSANチェックに耐えた!こちらからの反撃だ!」

まぁ、それでシステム的には正しいんですが。
おかしいですよね?
反撃するにしても、「恐怖に打ち勝ちながら」反撃しましょう。
それが「ホラーの登場人物の役割を演じること」だと思います。

さて。
「事件の真相を暴く事」と言いましたが。
何故「事件を解決すること」ではないのか。

これは、キーパーのシナリオの好みにもよるので、今までの話の中でも本当に「私の持論」でしかないんですが。

ホラーのシナリオって、全部解決するのは、略無理だと思います。
だって、テーマが「恐怖」ですから。
解決可能であれば、そこで「恐怖」は薄れてしまうと思います。
勿論、探索者達が今目の前にある怪異に対して、ある程度の解決は目指せると思います。
が、根本的には無理って場合が多いんじゃないですかね。
例え地下道に巣くうグール達を殲滅しても、グールという種を根絶させたわけではないので、いずれまた地下はおぞましいグールに占拠されてしまうかもしれないし、深き者どもを蹴散らしたところで、ルルイエに眠る御大が消えるわけではない。

大切なのは「知る事」
世界に何が起きているのか、目の前の怪異は何が原因なのか。
その人知を超える世界を垣間見て、人類では手出しの出来ない現実を知り、いずれやって来るかもしれない破滅の時を恐れ戦く。
それが「クトゥルフの世界」だと思います。

「ホラーゲームの中でのプレイヤーのロール」というのは、他のファンタジーやSFといったジャンルのロールとは、まず根底が違うと思います。
ホラーの物語の登場人物に「勝者」は存在しません。
その場を凌ぎ切れたとしても、破滅の時から完全に逃れる事は出来ないのです。
ホラー小説や怪奇物語の中の登場人物が、プレイヤーのキャラクターです。
どう立ち回り、どうロールプレイをすれば「ホラーの登場人物」として楽しめるのかは、多くのホラーの物語の中にヒントがあると思います。

次回は「クトゥルフっぽい物」をテーマに話したいと思います。
ルールブックの中だけが、クトゥルフの世界じゃありません。
posted by AHC at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日陰の世界

2016年02月27日

第5回「きょうあくなまもの」by Studio GG

なおぶ顔アイコン_小.jpgこんにちわ。なおぶです。先週は、神戸ゲームマーケットでした!
試遊卓に遊びに来てくれた皆さま、購入頂いた皆さまありがとうございました。

昨年の大阪ゲームマーケットでも感じた事ですが、全国的にアナログゲームが隆盛になっていることを感じさせる盛況さでしたね。
アナログゲーマーの皆さんは、購入したゲームを色々と楽しまれている頃ではないでしょうか?

さて、第5回で紹介させて頂くゲームは、「きょうあくなまもの」(by Studio GG)です。

きょうあくなまもの.jpg

2人の魔法使い同士の戦いというTCGテースト対戦型のゲームなのですが、それぞれ違う効果のカードが16枚と非常に少ないのに関わらず、
絶妙なバランスで非常に深い読み合いと戦術を楽しめるゲームです。

残念ながら、私はアナログゲームは出戻りでして、大学生活のため実家の愛知から東京に上京後、しばらくヲタ文化からは離れてしまいました。
そのため、TRPG冬の時代を到来させた主な原因だと聞かされている「マジックザギャザリング(いわゆるギャザ)」にハマることが無かったので、TCGの深いところのゲーム性が残念ながら分かりません。
しかしながら、TCGにハマったことのあるプレイヤーは、この枚数で似たような駆け引きがちゃんと出来るゲームであることに感銘を受けていた様子でした。

わたしは、その点は分かりませんが、たった16枚のカードの組み合わせで挑戦できる作戦の幅にすごく痺れました!

どんな感じのゲームなのかは、ニコニコ動画でアイマスキャラを使ったプレイ動画がありまして、参考にしてもらえればいいかなと思います。
どんな事を考えてプレイするのか、心理描写もあり、非常に分かり易かったです。


例によって、プレイヤーとして面白いところをまとめます。

・手札によってどのように相手に勝つか、様々な戦術を構築出来るところ。
・相手のカード効果を無効にするカウンターの使い方の悩ましさ。勝利のための貴重なリソースなので、相手の思惑やコンボを推測して被害を考慮して適切に使うことが求められる。
・カウンターを無効にするカウンター返しの使用の悩ましさ。カウンターリソースを2使うので、その後、相手の反撃時に対抗出来ない可能性もある。
・捨札が利用出来るカードの存在で、相手に使用されたカードによって新しい作戦も立てられるため、作戦構築が悩ましい。
・勝つためにはカード枚数から相手の手札を推測して戦術を練る必要がある。相手に自分の作戦に対抗するカードが入っている場合、有効に機能しない作戦もあるため。悩ましい。
・ゲームを1発で終わらせるダメージを相手に与える「きょうあくなまもの」の存在が、逆転可能な余地を残しているため、最後まで諦めずに戦う事が出来るところ。
・終盤では、詰め将棋のような敵の対応を読んで勝利を掴みにいくので、確実な勝ち筋を掴んだ時にこみ上げる嬉しさとそれが、想定外の返され方をされた時の悔しさ。
・色々な作戦を考えられるので、色々と試したくなり、1度では無く何度も遊びたくなるところ。


最初のゲームは手探りで遊ぶことになりますが、熟練していくと運では無く、2手3手以上の先を読む思考力が問われてくるでしょう。

デザイナー視点で優れている所を挙げます。

・たった16枚のカードで、非常に複雑に組み合わさった戦術のゲームを実現している点。
・ルールやカードの効果もシンプルで分かり易い点。
・イラストも可愛くて優しく、老若男女遊びやすいテーストに仕上がっている点。


最初遊んだ時には、正直、完成度が高すぎて、悔しいと思うレベルを超えて、デザイナーの手腕に脱帽しました(笑)

16枚のカードでランダム性が少なく、2人でのゲームなので、恐らく遊び込めば遊び込む程、ロジックの詰め合いになり、定石が生まれて来るはずです。
なので、是非、プロ棋士の人同士で対局してもらいたいですね!
素人には何故負けが確定したのか分からない状況で「参りました」という投了が見られるかもしれません。

ちなみに負けると悔しいので、もう一回と言いたくなりますが、運の要素が少ないため2連続で負けると悔し過ぎてスネル可能性があるゲームです。負けず嫌いな人達の友情を壊す可能性があるので、その場合は、ほどほどに遊びましょう(笑)