2016年09月19日

なおぶのインディーズゲームレビュー第10回「命の砂時計」

なおぶ顔アイコン_小.jpgこんにちわ。なおぶです。ご無沙汰です。公私ともにバタバタしておりまして3か月ぶりの更新です。
出店したイベントでは、ファミリーゲームフェスティバル(名古屋)、夏コミ等も終わり、2週間後には新イベントである東京ボードゲームコレクションが控えています。AHCは居眠りの街とともに試遊卓ありで出店しますので、是非遊びに来てください。
アナログゲームのイベントも増え、ボードゲームカフェも増え、アメトークでは世界のボードゲームが紹介され、とこの3か月の間にもボードゲームの流行ムードを感じてきています。喜ばしいですね!春のゲームマーケットから遊べていないゲームもまだ結構あるため、AHCでは、時々クリエイターが集まって、新作のための試作品試遊会をするタイミングで徐々に消化しています。

そんなこんなで、最近やっと遊ぶことが出来た正体隠匿系すごろくゲーム「命の砂時計」を今回は紹介します。
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命の砂時計では、プレイヤーは、余命残り僅かな美少女の治癒を司る神と病魔とに分かれ、余命期間(7日以内)に先に治癒神がゴールすれば少女は助かります。
先に病魔がゴールする、ないし7日間という時間が過ぎてしまうと少女は亡くなってしまう。という切ないシチュエーションのゲームです。
治癒神陣営か病魔陣営かは、裏返しで配布されるので、どちらの陣営かは分かりません。なので、誰が病魔側なのかを探りながらゲームを進めることになります。
4人で遊ぶ場合は病魔は1人です。5人で遊ぶ場合は、使い魔という病魔の手下(発作、といった特殊カードが使用できない)が加わり2名になります。

すごろくのマスはカードを裏向きに並べて構成します。各プレイヤーは、サイコロを振って目以下の数(最低1)、進むことが出来ます。止まったマスのカードを手札に加え、持っている手札のうち1枚を(手札1枚のため、元々持っていたカードとどちらかを)表にし、マスにします。その際にカードに記載された効果を使っても使わなくても構いません。
という繰り返しで、誰かがゴールするか余命期間が来て少女が天に召されるかするとゲームが終了します。
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本ゲームの面白い所を例によって箇条書きにまとめます。
・正体隠匿ゲームの面白さ、疑心暗鬼と騙し合い、駆け引きを楽しめる。
・マスの数のバランスが良く、治癒神プレイヤー同士が上手く陣営を見分けていかないと少女を救う事が出来ない。
・一方で病魔陣営は序盤で、少女不利に動くとばれるので、治癒神っぽく振る舞いながら、かといってグズグズしていると治癒神側が有利になるため、病魔陣営として牙を向くタイミングが悩ましい。
・残り2日以下になると少女が即死する「停止」カードがあるため、それを防ぐお守りを治癒陣営が手にしていないとまずいので、お守りを巡る攻防。
・毎回違う配置になるため、同じ展開にならずリプレイ性が高く、何回も遊べる。
・特に少女を助けられなかった場合、もう一回となる。

と、すごろくという運要素がありながら、その運をチームの力でねじ伏せる協力ゲームの面白要素、それを密かに邪魔するといった正体隠匿ゲームの面白要素が詰まっています。

次にデザイナー視点で素晴らしい所をまとめます。
・まず、アートワークも素晴らしい。カードを並べてマスにしたすごろくという性質上、カードの大きさを小さくするのは遊び易さ上仕方ないのですが、もっと大きなカードでみたいと思ってしまう美しいイラストです。
・そして、ゲームのルールデザイン、そしてイラスト、アートワーク全てシキリトさんがされています。シンガーソングライターや監督兼脚本兼主演みたいな万能の才能ですね。多くのゲームデザイナーに取って非常に羨ましい才能ではないでしょうか?
・ゲームギミックとシチュエーションの選択が素晴らしい。少女の命を救うという目的は、プレイヤーの没入度やモチベーションを高めます。
・ゴールのカードを日数カウンターとして利用しているのですが、治癒神側がゴールして裏返すと助かった喜びを分かち合うイラストがあり、心憎い演出となってます。
・すごろくという伝統的かつ運要素の強いゲームに、協力ゲーム、正体隠匿ゲームの面白さを程よく入れ込んでいる工夫とゲーム性が素晴らしいです。
・そして、マスの数やカードの効果が少女を救えるか?救えないか?と絶妙なバランスに仕上げられています。

とにかく、非常に完成度の高いインディーズゲームです!シチュエーションが分かり易く、ルールもシンプルでインストし易いので、初心者もすんなり理解してゲームの世界に入れる事でしょう。
少女を救う、少女の命を翻弄する、どちらも楽しいプレイが出来ますので是非遊んでみて下さい!

2016年06月03日

第9回「マタドーン」byEJIN研究所

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こんばんわ、なおぶです。

先日、イエローサブマリンの試遊会に参加し「邪神がこの中にいる!」を遊んで頂きました。
結果は、6戦して人類1勝、邪神5勝と例の如く邪神にやられてしまうケースが多かったですが、試遊は若干短めに終わるようにカード枚数を調整しているため、邪神有利ではあります。にもかかわらず、ゲーム後、あの時こうしておけば勝てたかも、と思えたプレイが多かったです。

驚いたのが、なんと、アザトースを1名で呼び出すことに成功した方がいらっしゃいました。最終ターンで、私の次の手番のエンジニアが一番怪しいと思っていたため、次に怪しいと思っていた精神科医にセットされていた「輝くトラペゾヘドロン」を破壊することが出来ずに(エンジニアのスキル”修理力”は、破壊されたアイテムを手札に加えます)、一番怪しくないと思っていた刑事に「アイテム移動」でつけかえた所、なんと狂気度が80もあり、隠しセットされていたネクロノミコンと合わせ、運命札にも恵まれて最強の邪神様が、ご降臨されました。
そうです。私が悪いです。深読みした挙句、読みが完全に外れるという大失態・・・。狂気度を開けた瞬間、頭を抱えた後悔も含めて、とても楽しかったです(笑)
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本ゲームを知らない方にはチンプンカンプンな話を導入に持ってきてしまいました。申し訳ありません。本題に入ります。

今回紹介するゲームは、そのイエサブの試遊会で合間に運よく遊ぶことの出来た「マタドーン」byEJIN研究所です。
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実は、EJIN研究所さんは、私が最初に制作したカードゲーム「犯人はこの中にいる!」と同時期に「犯人は探偵の中にイる」というタイトルもろ被りのゲームを出されていたので、ぷちライバル視していたのですが、その後の拡張版の発想もやや被り(拡張版入れるとちょっと違ったゲーム性で遊べる)、さらにムムっと思っていたところ、「ヌシも悪よのう」そして今回紹介する「マタドーン」とハイペースで良質のゲームを出されていたので、さらにさらにムムムっと思ってました(笑)

出されるゲームのフレーバーのバリエーションの広さオリジナルなメカニクス売り方(コラボ戦術、イベントブースの使い方、委託店舗での販売工夫)、製造時のコスト削減の配慮等、随所に行き届いたデザイナーだと密かに感心しておりました。

と作り手を持ち上げるのはこれくらいにしておいて(笑)、肝心のゲームを簡単に紹介します。
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暴れ牛の進路を決めるタイルを裏向きにしてプレイヤーが順番に1枚ずつ設置し(最初にランダムに4枚引き、そのうち3枚をプレイします)、闘技場に置かれた他のプレイヤーの闘牛士コマを暴れ牛に引かせて殺すというゲームです。
タイルは基本的に牛の進路を設定するものなのですが、足あとタイルを使用して、自分のキャラを動かしたりも出来ます。

牛は壁にぶつかると逆に走り始めますが、2回ぶつかると反対を向いてストップします。ゲームの名前の由来が、2回ドーンとなるということでマタドーンだとのことですが、そもそも、パッと見で、その説明を受けるまではゲーム名がマタドール(闘牛士)だと思っていました。
何そのダジャレというリアクションに、デザイナーは、関西人だからと意味の分からない発言をしていました(笑)

それでは、プレイヤー視点でのゲームの面白さをまとめます。
・他プレイヤーの置く進路タイルを予想して、自分に被害が来ないで、他プレイヤーに被害が発生するように考えてタイルを置く悩ましさ。
・限られたタイルの中で、どういう順番で置くか?が悩ましい。
・思考過程で他プレイヤーに置かれたら嫌な所が分かるので、置かれてヤバいとハラハラしたり、置かれなくて良かったとほっとしたり、小さな一喜一憂を楽しめる。
・最後にタイルを一枚ずつ開いていく時のドキドキ感。
・結果として牛の進路が決まって、「うぎゃー」とか「やったー」とか楽しめる。
・予想が上手くハマってくれた時が、かなり嬉しい。違った時のフォロータイルがハマってくれると、それも嬉しい。


続いてデザイナー視点で優れていると感じられる点をまとめます。

・観客席がタイルを隠すスクリーンになっている工夫が、素晴らしい。闘技場の雰囲気を表すと同時にゲームで必要な機能を提供しているというのは、心憎い気遣い。
・最初に死んでしまったプレイヤーがつまらないといけないので、次に死んだプレイヤーが出来た場合、3位と4位を決定する小さいステージで豚に引かれるゲームで遊ぶことが出来るという心憎い気遣い。
・非常にシンプルなルールでインスト時間も非常に短く、小学生でもすぐに遊べる。

ちなみにインストとルールのシンプルさについては、デザイナーは、「一見簡単で小学生もすぐに遊べるが、思考が浅いので、大人の知恵でボコボコにして、現実を教えてやるゲームだ」とヒドイことを言っていました(笑)

ということで、大人の思考力を試され(笑)、牛に引かれて悔しい、牛で引いて嬉しい素敵なゲームです! 是非遊んでみて下さい!

2016年05月20日

第8回「絶対に漏らしたりしない!」 byJ.C.クリエイツ

なおぶ顔アイコン_小.jpgこんばんわ、なおぶです。ゲームマーケット後、自分の作品のエゴサーチが日課となっております。これ、私だけじゃないですよね?ゲームデザイナーのあるあるですよね?(笑)
印刷会社の丁合ミスがいくつか発見されていて都度対応させて頂いているのですが、ゲーム自体の評判は悪くないようで、ほっと胸をなでおろしています。丁合ミスに関しては、ツイッター等からお問合せ下さい。極力対応させて頂きます。



既に告知していますが「邪神がこの中にいる!」他旧作を名古屋ファミリーフェスティバルで、頒布します。イベント自体の客足と客層が分かりませんので、数はそこまで用意しません。なので確実に手に入れたい方は下のフォームからの取り置き予約をお勧めします。
取り置き予約フォーム

合わせて通信販売予約も始めました。発送は名古屋ファミリーゲームフェスティバル後、すぐに行いますので、名古屋まで足を運べない方は通販をご利用下さい。
オリジナルゲーム販売「遊歩堂」


それでは、そろそろ本題に。
ゲームマーケット後、新作入手したゲームをこつこつと遊んでおります。まだまだ遊び切れていないのですが、まずは今回「絶対に漏らしたりしない!」をおススメゲームとしてレビューします。
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タイトルはネタゲーだと思ったので、正直ゲーム性は期待していなかったのですが(申し訳ありません)、なかなかどうして面白いゲームでした。
どのようなゲームかというと、タイトルにある”酒飲みチキンレースカードゲーム”というのがそのものズバリです。が、実は、カードゲームという程、カードは使いません。お漏らし判定に使うぐらいです。

女隊長達が、隊長としての力を誇示するためには、自らお酒を飲みながらテーブルに居続けなければならない。女隊長達は、隊長として最も偉大な隊長として認めさせるために、尿意を我慢しつつ、他の隊長と乾杯して他の隊長をトイレに送り込む我慢しすぎるとトイレが間に合わずお漏らししてしまい、威厳を大きく損なってしまう、というような設定です。

女隊長達が、いくら飲んでも酔い潰れないで、おしっこだけ排出すれば無限に飲み続けられるという鉄の肝臓を持ち、飲んだ酒から一瞬で尿を生成する鋼の腎臓を持っているのは、ファンタジー世界だからということで、ツッコミはしないでおきましょう(笑)

そういえば、ファンタジー系の酒場でのゲームでは、商用でレッド・ドラゴン・インという名作がありますので、そちらもおススメします。(商用なのでこのブログレビューでは紹介しません)

ゲームの流れですが、各プレイヤーが順番に手番を行います。手番で選ぶ行動によって得られる得点があり、4ターン3ラウンドの合計12回行動して最終的に得点の高いプレイヤーが勝ちという得点獲得ゲームです。

行動は、酒を飲む(大、中、小ジョッキ)他一人のプレイヤーを選んで乾杯するか、トイレに入るかの5種類から選びます。
大ジョッキ、中ジョッキ、小ジョッキと高得点であれば、その分尿意が溜まりやすく、乾杯という行動は、自らの尿意を大ジョッキ並に上げますが、他プレイヤーの尿意を同じだけ上げます。この場合、自らの得点は中ジョッキ並み。相手は得点なしです。
そして一定以上の尿意になってトイレに行っていなければ、お漏らし判定をし、失敗すると漏らしてしまい、大量に得点を失います。
お漏らし判定は、尿意の限界を超えた場合、超えた尿意分のカード枚数をお漏らし判定6枚のカードから引き、「WARNING」と「OUT」が同時に入っている時にお漏らしし、「WARNING」のみを引いた場合には、トイレに即座に並びます。それ以外の場合は、何も発生しません。
単純なルールのゲームなのですが、色々と駆け引きが発生してきます。

では、プレイヤーとして面白い所を例によってまとめます。

・他プレイヤーが乾杯で突っ込んでくるつもりかどうかの心理を読みながら、もう一杯いけるかどうか選択をするところが悩ましい。
 →他プレイヤーも尿意が上がるため、乾杯で攻撃すると、その後のプレイヤーからの乾杯が怖いため乾杯を控えるタイミングもある。
・トイレに入っているタイミングと手順を考えてシミュレーションし、もう一杯行けるかどうかを選択する。
 →ロジックが試されるところ。一見無理そうだが、大丈夫、いける!というタイミングがある。
・単純に漏らしたくない!という思いが強いため、漏らしてしまうと本当に落胆し、屈辱を感じる。点数以上にショックがデカイ。
・そして復讐心が芽生え、恨みを晴らすために乾杯特攻したくなったりする。
・お漏らしさせてやった時のしてやったり感は異常。


と、選択の悩ましさもあるのですが、シチュエーションから感情が入ってくるため、やや冷静にゲームが出来なくなってくるという面白さがあります。違った自分を発見できるかも(笑)

次にデザイナーとして感心した所をまとめます。

・トイレに入ってしまうと行動が出来ないため、同じだけ尿意が溜まっていても状況によって安全か危険が変わってくるのと、他プレイヤーの行動を読んで進退を決めると、単純なルールながら複雑なゲーム性がある。
・お漏らし判定システムがなかなか秀逸。「WARNING」を引いた場合は、行動を選択せずにトイレに向かえるため、尿意が限界+1になるのは悪くない。運試しになるが、限界+2や+3も実はそこまで悪くない。
 →ちゃんと+2〜+5のお漏らし判定について確率計算してみると+2の時、お漏らし6.7%トイレ26.7%そのまま66.7%。+3の時お漏らし20%トイレ30%そのまま50%。+4の時お漏らし40%トイレ26.7%そのまま33.3%。+5の時、お漏らし66.7%トイレ16.7%そのまま16.7%。小数点第2位で四捨五入。トイレに直行の可能性も総じて高く、+4まではお漏らし50%を超えない。直観よりも実際は低い確率に感じられないだろうか?
・少し触れたが、感情面でゲームに引き込むことが出来る世界観を取り入れた所。お漏らしは例えキャラクターであっても、成人にとっては屈辱以外の何物でもない(笑)


というわけで、おススメゲームです。是非、お漏らしする屈辱、お漏らしさせる快感、体験してみて下さい!

2016年05月13日

第7回「木馬と英雄」by77spiele

なおぶ顔アイコン_小.jpg久々の更新となります。

まずは2016ゲームマーケット春お疲れ様でした。
今回新作「邪神がこの中にいる!」を制作、販売させて頂きました。
想定よりもグラフィックデザインに時間がかかってしまいまして、印刷所も納期に合わせて複数使い、箱は別でお願いし、当日セットアップするという荒業での販売となりましたが、なんとかお届けできて良かったです。
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13時にはおかげさまで、完売御礼状態になりました。とても有難いことに「欲しい、手に入れたい」というとても嬉しいお言葉も多数頂けましたので、早速増刷させて頂くことに致しました。

名古屋ファミリーゲームフェスティバルにて次回販売させて頂きます。
ファミリーと名前がついたイベントに出展していいのか?ちょっと心配しておりますが(笑)
その後、通信販売の予定もございますので、足を運べない方は、少々お待ち下さいませ。

さて、本題の面白いインディーズゲームを紹介します。

今回のゲムマ新作ではないのですが、2015秋に発表された「木馬と英雄」を紹介させて頂きます。
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本ゲームは、元々、面白いゲームという事で小耳には挟んでいて気になっていました。

とあるボードゲームで遊びながら英会話を学ぶという会で、最近遊ばせてもらえる機会があり、プレイしたところ、完成度の高いゲーム性に衝撃を受けまして、これは紹介せねば!とキーボードを叩くことになった次第です。

その時の私の放つはずべきだった言葉は

”Oh,what a wonderful gachi-game this is!(「何これ凄いガチゲーじゃん!!」)”

だったはずなのですが、英語で話さなければいけないという縛りを忘れ、普通に()内の日本語が出ちゃうくらいの衝撃でした。


ゲームについて簡単に説明すると、列に配置された得点カードを得るために、列での自軍のカード合計を最大になるように、自軍のカードを配置していく陣取りゲームです。プレイヤー人数は2人〜4人となります。
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ゲームの概要は、77spiele様のホームページに分かり易く掲載されていますので、そちらをご参照下さい。


では、早速ゲームのプレイの魅力をいつものように箇条書きにまとめます。

・順位決定で使用したカードはプレイで使えないため、そこから勝負が始まっている。
 →手番は早い方が有利となるが、早い手番を取るために高い得点のカードを出すと本プレイで弱くなるというジレンマがある。

・陣取りとしての配置の仕方、配置する軍の強さ(数)、両面から作戦を立て、一手を打つ必要がある。

・2枚だけ裏向きのまま置けるルールなので、”何を””いつ”隠して配置するか悩む。弱いカードをブラフに使うのか?強いカードを隠すのか?

・手が進むにつれて表向きで置かれたカードで情報は増えていくため、裏向きで配置されたカードも推測する事が可能となってくる。それを踏まえた自分の一手を考える必要がある。

・斜めに配置された軍の戦力を倍にする能力を持つ英雄の力は大きく得点を動かすため、英雄をどのように配置して高得点を得るか?英雄の配置したい個所をどのように確保するか?

・また、相手の英雄の能力がいかに働かないように配置で邪魔をするか?

・高得点を得られる得点カードは激戦区になるため、そこを主戦場に据えるか?別の低得点だが取り易そうな所を中心に取りに行くか?

・列で5枚目のカードを置いたプレイヤーは、その後のプレイが出来なくなる”撤退ルール”があるので、それも考慮する必要がある。
 →4つ目をおいて、その列に他のプレイヤーが置けなくなるようにブロックしたり、終盤、その後の手番を捨てて5枚目を配置するか?

・縦横つながりで一番大きな島を作ったプレイヤーに得点ボーナスがあるので、それも考慮して配置する必要がある。

・得点計算する際に、隠されたカードを開け他のプレイヤーの思惑とが明らかになって、読み通りだったのか、してやられたのかが盛り上がる。


私の好きなゲームプレイの悩ましさが、これでもか、これでもか、これでもかと盛り込まれています(笑)
魅力を箇条書きにしたのですが、これまでのレビューで最大の個数になるほどです。

個人的なイメージで伝えますとカードの点数というZ軸の戦略とどこに配置するかという平面(XY軸)の戦略を両方考える必要があり、
3次元的に頭を使う感じがしました。この複合的に脳を使わせる感覚は初めてでした!って何を言っているか分かりませんかね?(笑)


次にデザイナー視点からとても感心したところを挙げます。

・まずアートワークが素晴らしい。古代の英雄が、本ゲームを遊んでいる風のパッケージデザインもすごくカッコいい。

・配置するカードはトロイの木馬をモチーフにしているので、戦力を隠して配置する裏面がトロイの木馬になっている。この行き届いた工夫が、とってもオシャレ。

・最初の順位決めで、使用したカードが使えないという事が、本ゲームに影響があるため、作戦にそこも含めているルール。

・シンプルなルールなのに、非常に多くの考慮要素があり、かつ陣取り要素によって一手一手戦況が変化するため、プレイヤーに複合的な脳の使わせるようにデザインされている。

・考える要素が多すぎるため、手札は3枚でのマネジメントにし、そこに運要素を入れてバランスを取っている。

・得点カードが配置が換わることになるため、定石が生まれにくくリプレイ性が高い。


運要素も少々振りかけられていますが、かなりガチ寄りのゲームなので、負けるととても悔しい想いをします!
ルールをちょっとだけ変更して手札をドローではなくて、全て使用可能とし、かつ2名で遊ぶと完全にガチゲーになりますね。
試してみたい遊び方です。

とにかく、悔しいを通り越して舌を巻くレベルの非常に素晴らしい作品です。ぬるいゲームにはもう飽きた!
というストイックなゲーマーの方には特におススメ
のゲームです。是非遊んでみて下さいっ!

※まだ手に入れられていないゲームなので、許可を経てゲムマブログの写真素材を使わせて頂いております。77spiele様のご厚意に感謝致します。

2016年03月11日

第6回「プリンセスエスコート」byてぃーくらぶ

なおぶ顔アイコン_小.jpgこんばんわ、なおぶです。先日、AHCのWEBラジオに登場させてもらいましたが、いやー、うまくしゃべれませんね。もっと修行したいです(笑)まぁ、お暇な時にでも、ご視聴ください。








ちなみに今月は、AHCのオフ目玉イベントの合宿があります。2泊3日で泊り込み、ボードゲームとTRPGを遊びまくるという素敵な企画です。
このインディーズゲームレビューのネタの仕入れにもなりますし、今からとってもとっても楽しみなのですが、一つだけ大きな問題が立ち塞がっています。


家庭持ちには、ゲーマーでない家族の理解がさすがに得られにくい事です(爆)
「遊びで3日間家を空けるですって(怒)!」という怒りを少しでも和らげるため、その分事前に家族サービスに勤しんでいる今日この頃です。

さて、本題に参りましょう。今回はゲームマーケット大賞で優秀作品賞をとったゲーム、「プリンセスエスコート」をご紹介します。
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賞をとったゲームの紹介をなんで今さらと思われるかもしれませんが、面白いものは面白いので紹介させて下さい!

人狼に代表される正体隠匿系というジャンルのゲームです。
簡単に内容を説明すると、プレイヤーはクエストをクリアしながら、7日間姫が殺されずに守れば勝ち。
但しプレイヤーの中には、反乱軍が潜んでおり、クエスト失敗や姫の暗殺を目論んでいるというゲームです。

ゲームの流れは、下の紹介動画か、ルールがまとめて紹介されているコロナビを参考になさってみてください。


基本的にプレイヤーのやる事は、昼間、クエストクリアのための作戦を話し合い、夜間に行動チップを投票するだけ、とシンプルです。
正体隠匿系の代表格、「人狼」と「レジスタンス」を混ぜたようなゲームシステムになります。

行動チップは、基本、剣(対象にダメージを与える)と盾(対象のダメージを軽減する)のいずれかになります。
※特殊能力を持つキャラクターの特殊チップ(守護・特攻・回復・占い)等もありますが、基本は剣と盾の投票です。
通常、一人どちらか一つなのですが、反乱軍は追加で一つ投票可能になっています。
※複数の投票が可能な能力を持つキャラクターもいます。

では、まずプレイヤーとして面白いポイントをまとめてみます。護衛軍と反乱軍とで異なるところもあるので、分けてみました。

【共通】
・テーブルトークゲームと名付けられているようにデザイナーは、疑惑と権謀術数がふんだんに盛り込まれたトークの盛り上がりを楽しんでもらえることを期待されていると思うので、この際、キャラクタープレイ要素を存分に楽しみたい。
 騎士ダバダ「ええい、また姫を守り切れなかった!反乱軍は一体誰だ!」
 調査士サイボ「まぁ、落ち着いて下さいダバダ殿。私には反乱軍の正体がほぼ特定出来ましたよ」
 守護者ハー「ふぇぇ、本当ですか?私全然分かってないです。サイボさん、頼りにしてます。推理を聞かせてください〜」
と恥ずかしがらずになり切った方が、メタプレイでロジックを詰めてゲームを進めるよりも、間違いなく盛り上がって面白いはず。


【護衛軍】
・反乱軍の存在を意識しながら、クエストクリアかつ姫を守る作戦を立てる課程のやり取りが面白い。各人、異なる能力を持っているので、その能力を用いた解決策を提案したり、調整していくのは協力ゲーの楽しみである。
・話合って、こうしようと決めたのに違う結果が出るので(反乱軍がいるので当然ですが)、そこをキーとして行動証言の矛盾から反乱軍を推測していく過程が面白い。
・全ての推理を公開すると反乱軍も対応してくるため、情報のコントロールが面白い。
・特に昼間全員で決めた内容をあえて裏切り、反乱軍の動きを読んで、その思惑を止めた時の喜びは極上である。


【反乱軍】
・護衛軍を交えた作戦に同調しつつも隙を狙うところが面白い。
・護衛軍の思考の見落としを見つけて、勝てる状況で投票フェーズに入った時のニヤリ感が半端ない。夜神月を超えるニヤリ感が出る。

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次にデザイナーとして感心したところをまとめます。

・まず、箱をギミックとして利用するという発想が、とてもとてもとても素晴らしい。
・プレイヤーの行動はチップを投票するだけで、あとはトークなので、ゲーム初心者にも分かり易くインストし易い。
・箱のギミックを活用した対象別、種類別の投票システムにより、人狼やレジスタンスを一段昇華させたゲーム性を獲得した。
・クエストのクリア条件とペナルティのバランスがよく練りこまれている。多くても少なくても失敗といった条件は、護衛軍を苦しめる。
・キャラクターの組み合わせパターンや、クエストの引き方によって展開が毎回変わるため、何度も飽きずに遊べる。そのランダム性で、ゲームバランスが大きく左右する事もあるが、展開が変わる面白さを犠牲にする程のデメリットではない。
・ロールプレイ要素を加えて遊ぶことが出来るようにしているのは、TRPGゲーマーにとって嬉しいし、TRPG未経験者をTRPGへ誘うことにも使えそう。


ということで、賞を獲得するのに相応しい素晴らしいゲームです。未体験の方は、是非一度体験してみて下さい!

2016年02月27日

第5回「きょうあくなまもの」by Studio GG

なおぶ顔アイコン_小.jpgこんにちわ。なおぶです。先週は、神戸ゲームマーケットでした!
試遊卓に遊びに来てくれた皆さま、購入頂いた皆さまありがとうございました。

昨年の大阪ゲームマーケットでも感じた事ですが、全国的にアナログゲームが隆盛になっていることを感じさせる盛況さでしたね。
アナログゲーマーの皆さんは、購入したゲームを色々と楽しまれている頃ではないでしょうか?

さて、第5回で紹介させて頂くゲームは、「きょうあくなまもの」(by Studio GG)です。

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2人の魔法使い同士の戦いというTCGテースト対戦型のゲームなのですが、それぞれ違う効果のカードが16枚と非常に少ないのに関わらず、
絶妙なバランスで非常に深い読み合いと戦術を楽しめるゲームです。

残念ながら、私はアナログゲームは出戻りでして、大学生活のため実家の愛知から東京に上京後、しばらくヲタ文化からは離れてしまいました。
そのため、TRPG冬の時代を到来させた主な原因だと聞かされている「マジックザギャザリング(いわゆるギャザ)」にハマることが無かったので、TCGの深いところのゲーム性が残念ながら分かりません。
しかしながら、TCGにハマったことのあるプレイヤーは、この枚数で似たような駆け引きがちゃんと出来るゲームであることに感銘を受けていた様子でした。

わたしは、その点は分かりませんが、たった16枚のカードの組み合わせで挑戦できる作戦の幅にすごく痺れました!

どんな感じのゲームなのかは、ニコニコ動画でアイマスキャラを使ったプレイ動画がありまして、参考にしてもらえればいいかなと思います。
どんな事を考えてプレイするのか、心理描写もあり、非常に分かり易かったです。


例によって、プレイヤーとして面白いところをまとめます。

・手札によってどのように相手に勝つか、様々な戦術を構築出来るところ。
・相手のカード効果を無効にするカウンターの使い方の悩ましさ。勝利のための貴重なリソースなので、相手の思惑やコンボを推測して被害を考慮して適切に使うことが求められる。
・カウンターを無効にするカウンター返しの使用の悩ましさ。カウンターリソースを2使うので、その後、相手の反撃時に対抗出来ない可能性もある。
・捨札が利用出来るカードの存在で、相手に使用されたカードによって新しい作戦も立てられるため、作戦構築が悩ましい。
・勝つためにはカード枚数から相手の手札を推測して戦術を練る必要がある。相手に自分の作戦に対抗するカードが入っている場合、有効に機能しない作戦もあるため。悩ましい。
・ゲームを1発で終わらせるダメージを相手に与える「きょうあくなまもの」の存在が、逆転可能な余地を残しているため、最後まで諦めずに戦う事が出来るところ。
・終盤では、詰め将棋のような敵の対応を読んで勝利を掴みにいくので、確実な勝ち筋を掴んだ時にこみ上げる嬉しさとそれが、想定外の返され方をされた時の悔しさ。
・色々な作戦を考えられるので、色々と試したくなり、1度では無く何度も遊びたくなるところ。


最初のゲームは手探りで遊ぶことになりますが、熟練していくと運では無く、2手3手以上の先を読む思考力が問われてくるでしょう。

デザイナー視点で優れている所を挙げます。

・たった16枚のカードで、非常に複雑に組み合わさった戦術のゲームを実現している点。
・ルールやカードの効果もシンプルで分かり易い点。
・イラストも可愛くて優しく、老若男女遊びやすいテーストに仕上がっている点。


最初遊んだ時には、正直、完成度が高すぎて、悔しいと思うレベルを超えて、デザイナーの手腕に脱帽しました(笑)

16枚のカードでランダム性が少なく、2人でのゲームなので、恐らく遊び込めば遊び込む程、ロジックの詰め合いになり、定石が生まれて来るはずです。
なので、是非、プロ棋士の人同士で対局してもらいたいですね!
素人には何故負けが確定したのか分からない状況で「参りました」という投了が見られるかもしれません。

ちなみに負けると悔しいので、もう一回と言いたくなりますが、運の要素が少ないため2連続で負けると悔し過ぎてスネル可能性があるゲームです。負けず嫌いな人達の友情を壊す可能性があるので、その場合は、ほどほどに遊びましょう(笑)

2016年02月19日

第4回「毒の王冠」byAHC(日陰)

なおぶ顔アイコン_小.jpgどうも、なおぶ@AHCです。なんと今週も更新。いよいよ明後日は神戸ゲームマーケットです。
G03で出展しますので、いらっしゃる方は是非ともお立ち寄り下さいね!
販売物の取り置きもしておりますので、一度ゲムマ内のブログも見てくださいね。



さて、今回は自サークル作品を紹介する番なので「毒の王冠」のレビューをします。
デザイナーは、AHCの悪いおっさんこと、ショゴスおじさんこと日陰さん。

クトゥルフのビジュアルノベル風リプレイとかシナリオとかも出しているので、興味がある人は視聴してあげて下さい。

さて、まずは本ゲームの世界観ですが、あまおち総統力作のPVがありますので、参考にしてもらえると雰囲気掴めます。



どうです?おどろおどろしい世界観でしょう?

簡単に言うと王様が死にそうになったので、継承者候補達がお互いに毒を盛って殺し合い、新しい王様を目指すゲームです。
と、AHCの悪いおっさんの嫌らしい人格が発露した嫌らしい設定ですねー(笑)

王様はライフが6あり、候補者のライフが5なので、死にそうだという王様が実は一番元気な所から始まるのですが、そこは突っ込んではいけません(笑)
どうしても気になる方は、それまでエクスカリバーの鞘を持っていて不死身だった英雄の王様が、鞘が盗まれて殺せるようになったので壮絶な跡目争いが始まったとでも解釈して下さい。
その鞘を盗んだ犯人は「不死者」でしょうね、きっと。おぉ、ゲーム背景に新解釈が生まれましたが、おっさんどうですか?


まぁそれはさておき、毒の王冠をプレイして味わえる面白いところを語りましょうか。

・「毒を誰に盛るのか選ぶ」という単純な行為だが悩ましい。単純に一番殺したい者を選ぶと報復が怖いし、継承権関係なく勝てる王子だと早く王様に毒を盛りたいが、バレそうなので控え目にするかどうかを考えたり、色々と悩みます。
・ライフを減らしたいプレイヤーに票が集まるムードを、会話を通じてつくっていくというコミュニケーション要素も楽しめる。
・直接毒を盛ったり、誘導で思惑通りに他プレイヤーのライフが減ると、暗い欲望が満たされる。
・報復も投票していない時にブラフをかまして誘ったりが楽しい。
・自分に毒が盛られた時の報復するかどうか?誰に報復するか決定するのも悩ましい。リスクは犯したくないが、犯さないと勝利が掴みにくい。
・報復成功時に、ライフを減らすか継承権を奪うかも悩ましい。継承権が上がると毒を盛られやすくなる。
・能力に応じていつ自分の正体を公開すべきなのか?が悩ましい。
・勝利条件の異なるキャラクターがいるため、単純な思考プロセスでは最適解が出ないので、その推理と判断が楽しい。

と、<誰に毒を盛るか?><毒を盛られた場合に報復をするか?><する場合は誰に報復するか?><自分の正体をいつのタイミングで明かすか?>4つしかプレイヤーの行動選択がないにも関わらず、
ゲームの楽しさの基本要素である選択の悩ましさとフラストレーションとカタルシスを存分に得られるばかりか、ブラフや思考誘導の出来るコミュニケーションゲームとしても楽しめます。


デザイナー視点で優れているところを挙げます。、
・シンプルなゲーム性の中に状況に応じた葛藤が盛り込まれている。
・異なる勝利条件のキャラクターが混じるために、同じ戦術では勝てず、状況に応じた戦術をとる必要があり、ゲーム性の幅を広げている。
・使わないキャラクターカードをイベントカードに使用することにより、無駄のないカードの使い方となっている。
・加えて使用されていないカードの情報が公開されるため、他プレイヤーの持つカードを推測し、自らの勝利に向けて戦術を練り直すといった遊びの幅が広がっている。
・使用されるキャラクターカードの変化や配布するキャラクターカードによって考える要素が変わるため、飽きずに何度も遊びたくなる。

AHCのデザイナーとしては正直悔しくもあるのですが、とても素晴らしいゲームに仕上がっています。

とはいえ、実は「毒の王冠」は、私も原型を試遊するところから関わっており、私の意見やアイディアも盛り込まれていますので、若干手前味噌な所もあります(笑)

そこでAHCの宣伝になっちゃいますが、荒削りのゲームを試遊して、あーでもない、こーでもないといったプレイヤーとしての意見や解決のための新しいアイディアを出し合ったり出来るのは、インディーズゲームデザイナーにとってとても価値がありますね。
私のデザインした「犯人はこの中にいる!」も、その過程でギミックやルールを加えたり、バランスを整えたりしています。
もちろん、最後はデザイナーのバランスやアイディアに一任となるので、「毒の王冠」が面白いゲームに仕上がったのは、間違いなくデザイナーの日陰さんの手腕です。

何か面白そうなゲームを思いついたので、形にしたいという未来のゲームデザイナーや、このゲーム創ってみたけど微妙なので、もう一段面白くしたいので一緒に考えて欲しいといったニーズのある方は、気軽にAHCにお問い合わせ下さい。

おっと、サークルの宣伝をしすぎました。

とにかく「毒の王冠」自信をもって面白いと言えるゲームです。「お前、俺にばっかり毒を盛りやがって!」と友人関係を壊さない程度に、是非楽しんでください(笑)
 

2016年02月12日

第3回「精霊回路ドライヴ(第二版)」 byコップレジェンド(翠丸)

なおぶ顔アイコン_小.jpgどうも、なおぶ@AHCです。先週に引き続きの更新です。来週末は神戸ゲームマーケットですね。AHCと居眠りの街は今回も出展しますので、是非、遊びに来てください。

前々回から非公認ラリーブックという企画で、ゲームマーケット参加サークルのゲーム紹介とともに参加者に特典がつくための冊子を作っています。
今回は、神戸での開催というのもあってか、こじんまりとなりましたが、色々と改善や挑戦をしながら、今後も引き続き継続していくつもりなので是非ご参加やご利用をお願いします。

さて、宣伝はこれくらいにして、第3回「精霊回路ドライヴ(第二版)」のレビューいってみましょう!

まずはヴィジュアル面から。

イラストは、創作系界隈では有名で、非常に重宝されている著作権フリーで利用可能なジュエルセイバーhttp://www.jewel-s.jpのものを加工されて使っています。
元々商用ソシャゲのものなので、クオリティが高く、とても見栄えがします。
DSC_0024.JPG

AHCでもルールブック発売時に最速リプレイを頑張って出しているのですが、駆け出しアイドルRPGチャレンジガールズ☆リプレイでは、ジュエルセイバーさんのイラストを使わせていただいております。
http://ahc.saloon.jp/douzin_shi.html
有名どころのTRPGの同人作品では、犬月パクマン氏の「30分勇者」でもふんだんに使われてましたね。

精霊回路ドライヴでは、パッケージデザイン他、ロゴや装丁はとてもシンプルで美麗にまとめられていてジュエルセイバーのキャラデザインを違和感無く取り込んでいます。
まるでこのゲームのためにデザインしてもらったぐらいに感じました。
ゲームのキャラクターには、火水土風と属性があるのですが、属性とキャラクターにも不自然さは感じません。ゲームにおいてキャラクターは、感情移入して楽しむのにとても大事なので、成功していると思います。

次にゲーム性について。

本ゲームは協力して、まずは前哨戦を乗り切り、その間に自分のキャラクターを強化して、最終ボスを打ち倒すという協力ゲーとしてデザインされています。

ゲームの手順を詳しく書くと以下の通り。
・自分の使うキャラクターを選ぶ。
・全員がコスト分キャラクターを選び終わったら、ゲーム開始。
・敵が出現。出現時にダメージを与えられたり、特殊な効果を持つ敵も存在する。
・プレイヤーが順番に敵を攻撃。

・敵を攻撃する際に手札からカードを出すのだが、場札と同じ属性か数字である事が必要(UNOみたいな感じ)。同じ数字は複数出す事が出来て、その場合該当する属性のキャラクターが複数回攻撃出来る。使用した手札には特殊効果があるものもあり、使用時魔力がもらえたり、レベルアップしたりする。
・敵を倒すと敵のランク分全員魔力をもらえる。倒したプレイヤーは2倍。敵を倒すとすぐに次の敵が出現する。
・手番終了後、魔力は、キャラクターの特殊能力を使用したり、レベルをアップしたりに使用可能。
・敵をしとめられないと、敵から反撃を受ける。敵の攻撃によるダメージ分、山札を捨札にする。山札がプレイヤー全体共用のHPのような扱い。山札はキャラクターの特殊能力やレベルアップの効果で回復出来る。反撃毎に魔力が1点溜まり、一定の魔力が溜まると特殊な攻撃を持つ敵も存在する。
・次のプレイヤーが敵に攻撃する。この際、場札に応じたカードしか使えないので、次のプレイヤーが攻撃出来るような場札の出し方を考える必要がある。
・山札がなくなるとボスとの対決ステージに突入。ボスがランダムに選ばれた上、それまで使われた場札を切り直して山札とする。すなわち、プレイヤー陣営のHPは場札の枚数がHPとなる。
・ボスバトルも戦闘ルールは同じ。ボスを倒せれば勝ちで、ボスを倒す前に山札が尽きてしまったらプレイヤー陣営の負けとなる。


ゲームとして面白い所を以下箇条書きにまとめます。

・最初のキャラクターを選択も悩ましい。コストの低いキャラを多くするか、強いキャラを入れるか。特殊能力でコンボのように使える組み合わせもあるので、パーティを考えるのが楽しい。
・自分の活躍ばかり考えていたら、負けてしまう。次の手順のパーティが求めている色や数字をうまく察知して攻撃する必要がある。
・特殊能力使用とともにレベルアップを上手くして成長させていく必要があり、魔力の使いどころが悩ましい。
・ボス戦、最初ボスが強すぎて絶望的な気分になることもある。仲間と打開策を話し合い、ぎりぎり撃破出来るととっても嬉しい。
・惜敗した場合、悔しくなって、もう一回やろうぜ!となる。


というわけで、本作もゲームの醍醐味・面白さの基本である、選択の悩ましさ、選択の結果訪れるフラストレーションとカタルシスを存分に楽しめます。
他プレイヤーとの戦いではないので、仲間意識を育みながら楽しめるのも、人間関係が壊れにくく、良いのではないでしょうか?(笑)

インディーズゲームデザイナーとして、デザイン面で感心した所もまとめてみました。

・山札を共用のHPとして使用するアイディアがユニークで面白いです。
・初心者や時間のない時ようにショートゲームという工夫がされています。
・ボスの強さのバランスが絶妙。あと1ターン遅ければ敗北だった、あと1ターンあれば!というゲームが高頻度で発生します。

そして慣れてくれば、やや物足りなくなるボスバトルのために、追加セットの夜天術式に収録された強化されたボスやさらに強いボスが用意されています。
色々と痒い所に手が届いていますね!

というわけで、
「精霊回路ドライヴ(第二版)」コップレジェンド
http://cpl.sakura.ne.jp/at/c0202_sekadr.html

お勧め出来るゲームです。機会があれば是非遊んでみて下さいっ!
 

2016年02月05日

第2回 「Targeting Card Game HITMAN」byAHC(デザイナーMIKANSUI)

なおぶ顔アイコン_小.jpgなおぶです。お久しぶりです。
原稿は昨年9月に書き上げていたのですが、更新がだいぶ遅くなってしまいました。
言い訳です。申し訳ありません。今後はもうちょっと頑張ります。

さて、そうこうしている間に私がデザインした「犯人はこの中にいる!」の拡張セット「真犯人はこの中にいる!」も2015秋のゲムマで販売し、現在イエサブや遊歩堂で販売中です。カードを加えて少し入れ換えるだけで推理要素を加えた違ったゲーム性になります。
2016神戸のゲムマでも試遊スペースありで、販売しますので、まだお試しになっていない方は是非お試し下さい。
shinhanninweb2.jpg

◆    ◆    ◆

では、今回のレビューですが、AHCの処女作カードゲームである「ヒットマン」となります。
2回目にして自サークルのレビューをして何なんだと思われるかもしれませんが、すみません。しばらくは、サークル外、サークルと交互に連載していこうという方針にしました。えぇ、宣伝も兼ねてますが何か問題でも(笑)?
ura.jpg
但し、ご安心ください。このレビューは、妥協して書くつもりはありませんので、自サークルであっても面白くないゲームは取り上げません。そう、HITMANは間違いなく面白いゲームです。

本ゲームは、各プレイヤーに配られたカードや、場に置かれているカードを予想しながらアクションし、得点を稼ぐゲームです。

各カードにはそれぞれ違ったキャラクターが記載してあります。
基本的には2陣営あり、HITMANTARGETに分かれます。HITMANは、TARGETを見つけ、殺したら得点になります。TARGETは、殺されないと得点になります。
各HITMAN、TARGETにはキャラ毎の特性があり、その特性を活かす事が勝敗のポイントです。
card_04.jpgcard_02.jpg
遊び方は、下記URLに載っているので、そちらを参照下さい。
http://ahc.saloon.jp/hitman.html

ゲームの面白さは、自分の知りうる情報から、最も得点の取れる可能性が高いと思われる作戦を考え、悩みながら自分のキャラを選ぶところ。そしてその作戦が、目論見の通りに進むかどうか、他のプレイヤーの選択に掛かっているため、展開にドキドキするところ。そして、自分の意図の通りに展開し、高得点を得た時には、かなり気持ちいいところです。

デザイン面で優れていると思える所は、
何といっても、たった10枚と非常に少ないカードであるにも関わらず、面白くて深い戦術的選択が出来るゲームルールにあります。
キャラクター番号がそのまま行動順となり、同じ順番で正体が明らかになってくるにも関わらず、プレイヤーの思惑や選択したカードの違いで、各ゲームとも全く異なる展開が発生しうるのは、とても良く出来ていると思います。

また、ゲーム性に変化をもたらす、追加カードと入れ替える事で、基本プレイとは別の展開が発生する上、1ゲームが短いので、飽きずに繰り返し遊ぶことが出来ます。


まだ、試していない方は、たった10枚のカードで紡がれる殺し屋達の物語を楽しんで下さい。
TRPGのセッションでの遅刻者待ちの時間つぶしに手軽に楽しめるゲームです!

2015年09月08日

第1回「ダンジョンにはもぐらないっ!」 byエレジア商会

なおぶ顔アイコン_小.jpgはじめまして。実はAHCのブログ、初投稿のなおぶです。
昨年から突然、創作意欲が『マシマシ油多め』になり、思い切って、2015年春の大阪ゲームマーケットに処女作「犯人はこの中にいる!」を制作し、頒布しました。(イエサブ、書泉グランデ、キウイゲームズの他、通販でも特典CD付で販売中なので、是非ともお買い求め下さい!)。





犯人はこの中にいるCM用画像.jpg

さて、自分でゲームを作ってみると、急に他の方の作品が気になり始め、東京ゲームマーケットでは、気になったゲームをたくさん買い込んでしまいました。
多分この現象は、インディーズゲームデザイナーあるあるなのではないか?と勝手に思っているのですが(笑)、折角なので、購入後、遊んでみて面白かったインディーズゲームを紹介するコーナーを作ってみることにしました。

自サークルの作品等も織り交ぜながら、今後不定期にアップしますので、お付き合いください。

◆    ◆    ◆

さて、前置きはこれくらいにして、早速作品をご紹介します。
第一回は、エレジア商会さんの「ダンジョンにはもぐらないっ!」です。

そもそも、流行りや王道のダンジョンハックではなく、商人になって、冒険者に商品を売りつけるゲームというナナメの発想が私は好きで、かつファンシーでほのぼのとした絵柄に惹かれて購入しました。

blog1-1pic.JPG

本ゲームのサイクルは、基本的に4つのフェーズから成り立っています。

@購入しに来る冒険者たちとその順番をランダムに決めるフェーズ
Aプレイヤーが、冒険者に売るための商品を入荷購入するフェーズ
B自分の商品に隠して値付するフェーズ
C値付けした商品をオープンにして、順番に冒険者が、決められた優先順位に従って購入するフェーズ


です。
1サイクル終わると、手元にはお金と売れなかった商品在庫(1金で買う安い商品は腐ってしまうという設定で持ち越せません)が残っている状態となります。そして、再度同じように4つフェーズを繰り返していきます。このサイクルを繰り返して、最終的に一定の所持金以上になったプレイヤーが優勝となります。

ゲームとして面白いと感じた所がたくさんあったので、以下箇条書きにまとめました。

・購入しに来る冒険者と他のプレイヤーが購入する商品を見比べて、自分が何を買うのか悩ましい所。
・冒険者は7名購入に来るのですが、うち最後の2名は公開されないため、その2名によって商品が高値で販売出来るかどうかが大きく明暗が分かれる所。
・情報は金なり!とお金を支払えば、その2名を確認する事が出来ますが、貴重なお金なのでどうするか悩ましい所。
・他プレイヤーの作戦を予想しながら、自分の商品に値付する所。高すぎると他プレイヤーの商品が売れてしまい、自分の商品を買ってもらえなくなります。しかし、安くしすぎると儲かりません。
・値札をつけ終わって、公開し、順番に商品を冒険者に買ってもらう中で、一喜一憂する所。
・特に見えていなかった最後の2名は、運要素も大きいので盛り上がります。


このように1サイクルを通じて、ゲームの醍醐味・面白さの基本である、選択の悩ましさ、選択の結果訪れるフラストレーションとカタルシスを存分に楽しめます。

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また、デザイン面で感心した所もまとめてみました。

・商品のうち、安いものは、1サイクルで破棄しなければならず、利益は稼げる可能性が高いが売れなかった時のリスクが高いため、悩ましいという工夫されたバランスに仕上がっている点。
・同じ値段の商品だった場合、所持金の少ないプレイヤーの商品を優先させるというルールで、より逆転要素を強めたバランスにまとめられている点。
・ゲームのコツとして、カテゴリーを絞って買い占めた方が利益を得やすくなるが、かといって自分の事ばかり考えていると他プレイヤーも買い占めが出来、高利益になりやすいため、思惑を推測してうまく邪魔していかなければならない点。


そして、プレイしてみると、なんとなく商売の難しさみたいなものも学べるはずです。
競合がいる中でのプライシングの難しさや、神の見えざる手、カルテルや談合が生まれた背景なども実感出来ます。

というわけで、
「ダンジョンにはもぐらないっ!」エレジア商会
http://elegia-merchant.blog.jp/
お勧め出来るゲームです。機会があれば是非遊んでみて下さいっ!